「郵政見直し策、3つの疑問 焦点に 運用・ペイオフ・消費税」

久しぶりの更新。
「郵政見直し策、3つの疑問 焦点に 運用・ペイオフ・消費税」
日本経済新聞3月26日付け朝刊5面。

政府が進めようとしている郵政改革の見直しについて、預け入れ限度額を2000万円と倍増させることに関連して、倒産時の払戻し保証限度額も2000万円に増額させるか否かが問題になっている模様です。

預け入れ限度額と払戻し保証限度額は論理的に何の関係もないので、これを増額する必要性はまったくないと私は思いますが、記事によると大塚副大臣も「郵貯を例外扱いしない意向」を示したとのことです。当然だと思います。

記事では「実際は、政府がゆうちょ銀行を支えるとみる向きが多い」と伝えていますが、まあどうだかという感じ。
一般論として、政府は金融機関の倒産をできるだけ回避しようとするでしょうし、ゆうちょ銀行なら心情的にはますますそうなのかもしれないので、その意味では正しいとも思います。ただ「ゆうちょ銀行を支える」と書くのは簡単ですが、現在の運用(記事によれば8割が国債)を前提にすると、ゆうちょ銀行を支えなければならない事態ってどんな社会状況なんですかね。例えば「長銀を支える」とか「拓銀を支える」というのとは意味が違うと思うのですが、記事にあるように、融資を強化していくのであれば、似た感じになっていくのかもしれません。亀井大臣は「地域経済とか産業資金に回していく」と述べておられるようですが、あの新銀行東京の轍を踏まないようにしていただきたいものです。

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鷲尾香一「信用組合「消滅へのカウントダウン」が加速する」

フォーサイト9月号41頁。
記事によると、これまで経営危機に陥った信用組合は近隣の信用組合に救済されてきたが、今や信用組合ゼロの県が5県、ひとつの県が11県もあるため、近隣による救済という手法は限界に近づきつつあることから、筆者は、信用金庫と信用組合の業態区分が撤廃される方向に向かうのではないかと推測している。

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新銀行東京展望なき延命(下)提携構想、金融界冷ややか

日本経済新聞3月29日付け。

記事によると「高額の預金者も多くペイオフ(預金などの払戻保証額を元本一千万円とその利息までとする措置)による破綻処理も非現実的」ということであり、高額預金者は「多い」という評価になるらしい。

高額預金者が多いとペイオフができないとは。そういう制度だったのだろうか。

また、記事では国会による責任追及が行われる可能性があるとのことだが、むやみな貸し渋り批判をして石原銀行構想を歓迎した与野党議員たちの責任追及もあわせてすべきだろう(どっちもどっちだから黙れという趣旨ではない)。

記事によると、金融庁では「一度検査に入れば、正常債権を含めて厳しく査定しなければならない」と、検査入りを躊躇しているとのことであるが、きちんと査定するのは当然のこと。検査に入るかどうか、また査定がきちんと行われるかどうかに匙加減があるとすれば、厳しい査定があることを前提に内部統制を行ってきた他の金融機関に対する示しがつかなくなる。

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滝野川信金に信金中金が200億円を支援

asahi.com:資本不足の滝野川信金 信金中金が200億円支援へ

記事によると、
「このままだと・・・自己資本比率が、国内業務を継続するのに必要な4%を下回る見通しになった」
「決算期末の今月31日を払込日とした200億円の優先出資証券の募集を開始。信金中金は、この優先出資証券を引き受ける」
とのこと。年度末に向けていろいろ動きがあるようです。

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「ペイオフは選択肢にない」新銀行東京

日経ヴェリタス3/16号(創刊号)「まいた種に苦悩する津島代表執行役」より。
記事によると「都の負担が最小になるペイオフは、預金者への影響が大きく石原知事の進退問題に発展するため選択肢にない」という。

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新銀行東京の元本1000万円超預金は9600口座477億円

日本経済新聞3月12日付け朝刊。
記事によると、都議会予算特別委員会で東京都が明らかにしたという。このような質疑がされているということは、一部定額保護(ペイオフ)制度の導入が金融機関の経営に規律をもたらしていることの現れといえる。

この記事によると、現時点で破綻処理を選択した場合に預金者に生じる損失は477億円の一部である(全部ではないがカット率を事前に予測することは困難だろう)。これを避けるために東京都が400億円を追加出資することが適切かどうか、結論ありきではなく冷静に議論すべきと思われる。

なお、記事では金額ベースでの「分母」は4113億円とされているので、保護対象外預金の割合は約12%。
件数ベースでの分母は記事では明らかでないので比率は不明。
店舗数は本店を含み9店のようなので、単純計算すると1店舗あたり約1700件。多いと見るか少ないと見るかはわからない。

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金融危機から10年残された課題(4)再生遅れる地域金融

日本経済新聞11月2日付け朝刊。
記事によると「金融庁内ではいま、柳沢氏が模索した強硬路線をとってでも、地域金融機関を大胆な改革に突き動かすべきだとの意見がじわじわと頭をもたげる」という。方向性はまことに正論だが、それを「強硬路線」とか「大胆な改革」というのはおおげさであり、「モラルハザード路線から普通路線に戻る」というほうが正確と思われる。

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地域金融にペイオフ発動―金融庁に再び強硬論(霞が関風速計)

日経金融新聞10月29日付け。
記事によると「経営者に緊張感を与えるには、ペイオフ発動しかないと強硬路線の復活を唱える声も金融庁内に出てきた」という。ペイオフ(一部定額保護)制度はすでに導入されているのだから、あとは破綻金融機関に適用するだけである。発動の要件が整っていても強硬とか柔軟といった匙加減の余地があるとすれば、モラルハザードを招きかねない。

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金融行政の針路/摘めるかリスクの芽(上)危機回避「公的」頼らず

日本経済新聞9月8日付け朝刊。
自由主義経済において、倒産は避けて通れない現象であり、あとはその損害をどのように分担するかという問題が残るだけである。金融機関の倒産現象に即して言えば、
1)債権者(主として問題になるのは預金債権者)にその損害を分担させるか、それとも、
2)債権者以外の、倒産金融機関とは関係がない第三者にもその損害を分担させるか
の問題である。
日本では、これまで無制限の国民負担(預金全額保護)が選択されてきたが、それが一部制限されることになった(ペイオフ=一部定額保護の導入)。
記事には「昨年秋、東京建設信組の経営危機が雑誌で報じられると関東財務局が窓口役で信組業界と協議。『ペイオフを発動しない』『資本不足でも国は公的資金を原則として注入しない』『まず業界で資本支援を検討する』との三原則を固めた」とあるが、その順序が問題である。ペイオフ(一部定額保護)が制度として導入された以上は「ペイオフを発動しない」という結論が先にあるということはあり得ない。
順序を入れ替え、かつ、表現を正しくするとすれば「まず業界で資本支援を検討する」「国による資本注入はなるべく避ける」「ペイオフ発動は最後の切り札なので、できる限り避け、他の手段を最後まで検討する」といったところではなかろうか。
記事の最後には「モラルハザードを招く安易な救済を避けながら」とあるが、倒産金融機関とは関係がない第三者に倒産による損失を分担させる手法は(業界による支援も含めて)多かれ少なかれモラルハザードを招くと言わざるを得ない。ただ、モラルハザードにまったく言及がない記事も少なくないので、言及してあるだけまだ冷静なほうである。

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山梨県民信組に全信組連が資本支援を検討

日本経済新聞9月2日付け。
記事には「上部機関が大型信組を含め様々な不振信組を支援すれば、金融安定化の大きなプラスになる」とあるが、預金全額保護を取りやめたのは、金融機関の経営に規律を取り戻すのが目的ではなかったか。

基礎データ
1)預金残高4928億円(H19.3現在:同信組サイトより)で業界4位(9/2日経記事)
※ちなみに豊和銀行の預金残高は5297億円(H17.3現在)
2)店舗数58
甲府市に17店(本店を含む)
その他、上野原市を除く県内11市に31店
その他、県内7町1村に10店
※ちなみに豊和銀行の店舗数は49
3)2005年3月期から3期連続で最終赤字を計上。3月末の自己資本比率は4.89%。不良債権比率は23%であり業界平均の2倍以上(9/2日経記事)
4)2004年2月に甲府中央、谷村、美駒、やまなみの四信組の合併で誕生。

※日経記事には「昨春過小資本に陥り公的資金の注入を受けた大分県の第二地銀、豊和銀行より規模が大きい」との記載あり。
(参考)
豊和銀、90億円増資を正式決定、公的資金申請へ環境整う

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