「反社会的勢力データベースの現状と課題」

執筆の機会をいただいた(雑誌の発売が終わってから紹介しても遅いですが・・・)。

NBL 933号(商事法務)

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堀部政男編著「プライバシー・個人情報保護の新課題」(商事法務)

本書第2章、新潟大学鈴木正朝教授の「個人情報保護法とプライバシーの権利-「開示等の求め」の法的性質」は、73頁脚注(9)にあるとおり、私が被告代理人として担当した東京地裁平成19年6月27日判決(判時1978号27頁)において、当方(被告側)が鈴木先生に依頼して作成していただいた意見書をもとに作成されたものであり、裁判上の開示請求権否定説をまとまった形で論じたものです。

当時から、知り合いの関係者と議論すると否定説の妥当性を認めてくれる人も少なからずいたのですが、まとまった論文がなかったため、鈴木先生に意見書の作成を依頼したものであり、同事件の判決や、その後の議論もふまえて再構成した上で、今回このような形で公表されたことに、あらためて感謝する次第です。鈴木先生ありがとうございます。

80頁では「鶴巻説」などと書かれておりますが、上記のとおり、私は実務家として、裁判上の開示請求権否定説を取り扱っただけですので、「説」というほどのことはありません(ここは鈴木先生のリップサービスかと思います)。もっとも、肯定説の立場で訴訟活動を行うつもりはないので、その限りで私の考えが否定説に属しているのは事実です。

立ち位置が不明確な論文が問題となっている今日この頃ですが、脚注(23)で引用されている拙稿「個人情報保護法の具体的請求権を否定する初の司法判断の意義」(ビジネス法務2007年11月号)においても、私が上記の裁判で被告代理人の立場にあったことを明記しています。念のため。

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改訂2版「これだけ!個人情報保護士試験(完全対策)」

私が監修をした本が刊行されました。著者は「最適解」こと中康二さんです。
読者のみなさんのお役に立つことができれば幸いです。
なお、前のが「新版」だったので、次は「三版」かと思ったら「改訂2版」でしたが、そのあたりの事情はよくわかりません。。

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宇賀克也「個人情報保護の理論と実務」(有斐閣)

私が被告代理人として担当した東京地裁平成19年6月27日判決への批判が掲載されています(95頁以下)。

以下、年末の雑事に紛れてあわただしく記すメモです。具体的請求権否定説の論文は、私のような当事者(代理人)ではなく、研究者の先生方にお任せしますが取り急ぎ。

宇賀先生に限らず肯定説論者が使う「立法者意思」とは何なんでしょう。
※「著者が確認した立法者意思に明らかに反する」(96頁)
※「訴訟による実効性確保も可能であるという立法者意思を前提とし」(105頁)

憲法によれば、国の唯一の立法機関は国会だとされているわけですが、国会審議における質疑を論拠とすることを明示しているのは岡村先生くらいで、あとは「立案に関与した有識者がそう考えていたらしい」という舞台裏の話。
※「個人情報保護法制化専門委員会においても・・・開示・訂正・利用停止の求めの裁判規範性を承認することに関しては、ほぼ異論がなかった」(104頁)

それを解釈の参考にするのはかまいませんが「立法者意思」というのはいかがなものかと思います。

また「不法行為が成立する場合に損害賠償請求も可能であることは、立法段階で確認されていた」(109頁)という記述もありますが、不法行為が成立すれば損害賠償請求も可能であることは民法709条によれば当然のこととしても、これが個人情報保護法の「立法段階で確認されていた」というのは何を意味するのかわかりません。

肯定説からは「否定説だとOECD8原則違反となるから否定説はおかしい」という主張もなされますが、解釈の順序を間違えているのではないかといわざるを得ません。現に先般の堀部先生の講演では、個人情報保護法がOECD8原則に抵触するとEUでは考えられている可能性があることが紹介されました(NBL912号未確認)。

最後に「行政機関個人情報保護法等と同様、請求権を正面から規定することにより、裁判上の救済が可能なことを明確にすべきであろう」と述べておられますが、このように法改正しない限り、現行法の解釈で請求権を肯定することは無理というのが私の考えです。
(法改正すべきかどうかはまた別の議論ですが)

なお「著者が調査した限りでは、個人情報保護法25条1項に基づく開示の求めの実効性確保手段としての訴訟を否定する趣旨と解しうる文献は皆無であった」(104頁)との記述があり、判例評論執筆時点(平成20年3月)ではそうだったかもしれませんが、その後、石井夏生利先生の「個人情報保護法の理念と現代的課題」(勁草書房)502頁で、本件東京地裁判決の理由付けは適切であるとの評価をいただいています。もちろん鈴木正朝先生にも(どの文献を指摘すればよいでしょうか>鈴木先生)。

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ミアン・リッジ「インド「11億人の個人識別カード」に挑む敏腕経営者」

フォーサイト10月号63頁。

インドには数多くの個人確認文書は存在するものの、一元的に管理されていないために、役に立たないことが多い。

ふむふむ。いずこも同じ。
新しいIDカードは国として統一規格で発行するため、インド国内にあるすべての政府機関で通用するものとなる。指紋認証など最高技術を導入して巨大なデータベースに直結させれば、即座に個人確認ができる仕組みだ。

すべての政府機関で通用させることが構想されている模様。
なぜ個人カードが画期的かといえば、最貧困層に確実に公的サービスや支援を行き届かせるうえで極めて有効と考えられるからだ。

このあたりは日本とは事情が違いそうだが、大きな政策目標を実現することを旗印に導入を目指すという手法としては似たようなものか。そうすると「どこでも住民票が取れる利便性」というのは、貧困対策と比較するとインパクトが弱いな。。
いずれにせよ、先行者の動向に注目したい。

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「プライバシーマーク新規取得・継続の戦略」

ビジネス法務11月号に執筆の機会をいただきました。
お題はプライバシーマークですが、個人情報保護法についての意見も書いています。
興味のある方は、ご一読を。

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情報ネットワーク法学会特別講演会「個人情報保護、自己情報コントロール権の現状と課題」

すでにtwitterでは紹介していますが、6月13日に行われた講演会の講演録(抄録のようです)がNBL912号に掲載されました。
佐藤幸治・京都大学名誉教授は、現行の個人情報保護法の解釈としては、これを根拠として開示等の具体的請求権を認めることは難しいという見解を示しました(25頁)。
堀部政男・一橋大学名誉教授は、そのことに直接言及してはいませんが、EUでは現時点で「日本のデータ保護は十分なレベルに達した」と認められていないことについて、「現行法に基づいて具体的請求権が認められるのだから問題ないはずだ」と反論していないことからすると、佐藤先生と同様の見解(具体的請求権否定説)をお持ちではないかと思います。
なお、私は事前に学会側に質問書を提出しておいたところ採用され、会場で佐藤先生からいただいた回答が掲載されています(23頁)。
司会の岡村久道先生は具体的請求権肯定説であるにもかかわらず、私の質問も取り上げていただき、感謝しています。

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参議院議員宿舎の建替えを巡って紛争が発生している状況の下、参議院事務局の担当者が反対派住民との電話内容等の個人情報を記録した文書を賛成派住民に交付したことにつき、個人情報の漏洩による不法行為が認められ、慰謝料として50万円が認められた事例

久しぶりの更新なので、テンプレートもシンプルにしてみました。
東京地裁平成21年4月13日・判例時報2043号98頁。
原告代理人は紀藤正樹弁護士。
請求額2,504,000円に対して認容額700,000円。
訴訟費用負担は被告1に対して原告2。
被告は国であるところ、仮執行宣言(「被告に対する送達後14日を経過したとき、仮に執行することができる」)が付されている。
被告は控訴せず確定。

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情報ネットワーク法学会特別講演会

私も行こうと思います。
(以下、コピペ)
情報ネットワーク法学会では、佐藤幸治先生と堀部政男先生をお招きしてプライバシーの権利や個人情報保護法に関する講演会を下記のとおり開催することと致しました。
 
先着順500名・参加料無料(会員・非会員とも)で募集しております。
 
また、両先生には、懇親会にもご参加いただける予定です。懇親会の方もぜひご検討下さい。(懇親会費4000円)

●申込画面
 https://in-law.jp/entry_special.html

●ちらし(告知目的の再配布、印刷、掲示フリー)
 http://www.in-law.jp/bn/2009/special090613v2.pdf

*本件についてMLやブログ等で紹介頂ければ幸いです。ぜひよろしくお願い致します。

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 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク 法 学 会 特 別 講 演 会
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テーマ: 「個人情報保護、自己情報コントロール権の現状と課題」

主 催: 情報ネットワーク法学会・国立情報学研究所

後 援: 内閣官房IT戦略本部(依頼中)・総務省(依頼中)・経産省(依頼中)・(社)商事法務研究会

日 時:平成21年6月13日(土)10:00~16:45

場 所:学術総合センター 一橋記念講堂(定員500名)
 東京都千代田区一ツ橋2-1-2学術総合センター内 (神保町駅or竹橋駅)
 <地図>http://www.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&page_id=65

申 込:事前申込制(会員・非会員とも無料)
 情報ネットワーク法学会ホームページからお申込み下さい。
 https://in-law.jp/entry_special.html

<プログラム>

10:00~10:10 開会挨拶 東倉洋一(国立情報学研究所副所長)

10:15~10:45 報告1  鈴木正朝(新潟大学法科大学院教授)
           「わが国の個人情報保護法が有する課題」
    
10:55~11:25 報告2  岡田仁志(国立情報学研究所准教授)
           「電子マネーとデータプロテクション」
     
11:35~12:05 報告3  新保史生(慶應義塾大学総合政策学部准教授)
           「プライバシーの権利の再構成」 
     
12:05~13:20 (昼食・休憩)

13:30~14:30 基調講演 堀部政男(一橋大学名誉教授)
           「グローバル社会と日本のプライバシー・個人情報の保護-OECD情報セキュリティ・プライバシーWP副議長12年の経験-」

14:40~15:50 特別講演 佐藤幸治(京都大学名誉教授)
           「憲法13条と自己情報コントロール権」

16:00~16:35 パネル
                堀部政男(一橋大学名誉教授)
                佐藤幸治(京都大学名誉教授)
            司会 岡村久道(国立情報学研究所客員教授・弁護士)

16:40~16:45 閉会挨拶 佐々木良一(情報ネットワーク法学会理事長)

17:00~19:00 懇親会(同会場内・受付で4000円をお支払い下さい。)

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住所漏えい、副看守長起訴、行政機関個人情報保護法違反罪

日本経済新聞大阪朝刊2月6日付け。
記事によると行政機関個人情報保護法違反罪での公判請求は初めてとみられるとのこと。

行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
第六章  罰則
第 五十三条  行政機関の職員若しくは職員であった者又は第六条第二項の受託業務に従事している者若しくは従事していた者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録された第二条第四項第一号に係る個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第 五十四条  前条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第 五十五条  行政機関の職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第 五十六条  前三条の規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。
第 五十七条  偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、十万円以下の過料に処する。

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