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【判例時報watch】競売手続により区分所有建物を買い受け、管理組合に対し、前所有者が滞納した管理費等を支払った買受人が、破産手続を経て免責許可決定を受けた前所有者に対し、求償請求をし、当該区分所有建物が破産財団から放棄された後、買受人がこれを取得するまでに発生した管理費等について求償が認められた事例

原告(被上告人)X:買受人
被告(上告人)Y:前所有者

Y:平成18年8月1日から管理費を滞納
Y:平成18年11月14日、破産手続開始。Aが破産管財人に選任される
A:平成19年3月13日、本件区分所有建物を破産財団から放棄→Yの自由財産となる
(同日、破産手続廃止決定+免責許可決定)
X:平成19年7月18日、本件区分所有建物の所有権を競売により取得
その後、平成18年8月1日から平成19年7月17日までの滞納管理費等を支払う
X→Y:求償請求(本訴)

1)平成18年8月1日〜同年11月13日:破産債権→免責
2)平成18年11月14日〜平成19年3月12日:財団債権→破産者は責任を負わない
3)平成19年3月13日〜同年7月17日:破産者に対する債権→請求認容

「区分建物が破産財団から放棄された場合、破産者は当該区分建物を自由に使用収益処分する地位を与えられることにかんがみれば、一律に権利濫用等の法理を適用することは相当ということができない。上告人の主張は、立法論としては傾聴に値するとしても、信義則を含む現行法の解釈としては、いささか無理があり、これを採用することができない」

【雑感】
「立法論としては傾聴に値するとしても」の部分はサービス過剰なのではないか。
自由財産を取得した破産者が負担するのでなければ、管理組合か買受人が負担することにならざるを得ないが、それらはいずれも適切とは思われない。あるいは、破産財団(一般破産債権者)が負担することも、この点について放棄の効果が生じないことになり、適切とは思われない。

なお、上記のとおり、破産手続開始決定日から放棄日の前日までの分は財団債権となるので、破産管財人は気をつける必要がある(本件では異時廃止となったので、財団債権であったとしても弁済できなかった可能性がある)。

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