【判例時報watch】株式譲渡契約における売主の表明保証違反を理由とする補償金支払義務が否定された事例
大阪地裁平成23年7月25日判決(確定)・判例時報2137号79頁
平成17年9月:Y→X:T社の全株式を譲渡
・YはDDの際「偶発債務は存在しない」と回答した。
・YはDDの際、本件信託契約の契約書等、Xから求められたすべての資料を開示した→事実開示による免責を主張
・Xは、Yと協議することなく、本件修正申告を行った→Xの事前相談欠缺による免責を主張
平成19年4月:平成16年12月期の法人税の申告漏れを指摘され、約2億3500万円を追加納付
X→Y、補償金支払請求
(判決理由)
・事実開示による免責を認める
「本件においては・・・いやしくもデュー・ディリジェンスに携わる専門家であれば、Yの上記説明を受け、本件議事録を一読すれば、税務当局による本件指摘の可能性を認識し得たものというべきである」
・事前相談欠缺による免責を認める
« 【判例時報watch】信用保証会社が、抵当権つき債務を代位弁済したことにより、債務者に対する求償権とともに抵当権つきの原債権を取得した後、債務者について民事再生手続が開始され、その再生計画において求償債権が減額され、債務者において再生計画による減額後の求償債務を完済した場合においても、変更前の求償債権額から既払い額を控除した限度において右抵当権を行使することができるとされた事例 | Main | 【判例時報watch】衆議院国土交通委員の議員が、耐震強度が偽装されたマンションについて報じるテレビ番組等において、使用された生コンクリートは納入された会社の製造した粗悪品である等と発言したことにより、会社の信用が毀損されたとする損害賠償請求が認容された事例 »
「その他の法律問題」カテゴリの記事
- 【判例時報watch】損害保険会社が交通事故の被害者の損害賠償請求権を保険代位した場合、被害者とともに消滅時効が進行するとし、加害者の消滅時効の援用の効力が認められた事例(2012.03.26)
- 【判例時報watch】衆議院国土交通委員の議員が、耐震強度が偽装されたマンションについて報じるテレビ番組等において、使用された生コンクリートは納入された会社の製造した粗悪品である等と発言したことにより、会社の信用が毀損されたとする損害賠償請求が認容された事例(2012.03.21)
- 【判例時報watch】株式譲渡契約における売主の表明保証違反を理由とする補償金支払義務が否定された事例(2012.03.20)
- 【判例時報watch】いわゆる在外邦人国民審査権確認裁判(2012.03.17)
- 【判例時報watch】弁護士であるテレビ番組の出演者において特定の刑事事件の弁護団の弁護活動が懲戒事由に当たるとして上記弁護団を構成する弁護士らについて懲戒請求をするよう視聴者に呼びかけた行為が、不法行為法上違法とはいえないとされた事例(2012.03.16)
Comments