情報ネットワーク法学会特別講演会「個人情報保護、自己情報コントロール権の現状と課題」
すでにtwitterでは紹介していますが、6月13日に行われた講演会の講演録(抄録のようです)がNBL912号に掲載されました。
佐藤幸治・京都大学名誉教授は、現行の個人情報保護法の解釈としては、これを根拠として開示等の具体的請求権を認めることは難しいという見解を示しました(25頁)。
堀部政男・一橋大学名誉教授は、そのことに直接言及してはいませんが、EUでは現時点で「日本のデータ保護は十分なレベルに達した」と認められていないことについて、「現行法に基づいて具体的請求権が認められるのだから問題ないはずだ」と反論していないことからすると、佐藤先生と同様の見解(具体的請求権否定説)をお持ちではないかと思います。
なお、私は事前に学会側に質問書を提出しておいたところ採用され、会場で佐藤先生からいただいた回答が掲載されています(23頁)。
司会の岡村久道先生は具体的請求権肯定説であるにもかかわらず、私の質問も取り上げていただき、感謝しています。
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Comments
小生は「プライバシー=自己情報コントロール権」には批判的です。奇妙なことに、この説が信奉されているのは日本だけです。大変マイナスの影響が大きい説と思いますので、日本社会は、早急にこの説の呪縛から脱却すべきと思っております。拙稿をお読みいただき、ご批判、ご指導を賜れば幸いです。
http://www.infosocio.org/Vol2No3.pdf
参考:拙著「情報化時代のプライバシー研究」NTT」出版社、「サイバー監視社会」電気」通信振興会、「個人情報過保護が日本を破壊する」ソフトバンク新書
Posted by: 青柳武彦 | 2009.09.05 at 09:20
青柳先生、コメントありがとうございます。
「自己情報コントロール権」という言葉が定義されないまま一人歩きしている印象を受けています。
それが「プライバシー権はすなわち自己情報コントロール権であり、現行法の下でも、あらゆる個人情報について本人がコントロールできる」という考え方であれば、私も反対です。
ただ、一定の範囲のセンシティブ情報など、自己情報コントロール権的な考え方を立法により導入していくべき領域はありうるかもしれません。
ご著書のうち「情報化時代のプライバシー研究」は、すでに拝読して参考にさせていただいております。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by: 鶴巻 暁 | 2009.09.05 at 13:19