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上柳敏郎+大森泰人「逐条解説貸金業法」(商事法務)

文字どおり逐条解説本であるが「第1編/序論/さまざまな見方」が興味深い。

第1節/ある中小貸金業者の独り言
第2節/ある女性多重債務者の独り言
第3節/ある行政官の独り言

という、「はしがき」にも書かれているように「法令の解説書としてはやや異例の構成になって」おり、さまざまな立場の関係者にとって、一読の価値がある。

筆者(大森泰人氏)によると、第1節は筆者の行政体験が含まれており、第2節は、筆者の著書で紹介している女性債務者の実話をモディファイしたもの、第3節は筆者の行政体験そのものの反映であるという。とくに第3節の、

「誤解を恐れずにいえば、一定の信用収縮は、改革の副作用ではなく、そもそもの目的である」
「その規制によって返せる人にまで貸せなくなるという副作用が一定程度生じてもやむを得ないという判断になる」
「こうした規制強化の結果として、満たされざる超過需要がヤミ金融に向かう可能性があるとしても、ヤミ金融のターゲットとなる多重債務者の新たな発生を抑止するほうがプライオリティが高いと考えられたのである」

というあたりは、今般の法改正について中立的立場の行政官がどのように考えているのかを如実に示している。

また、資料編には、完全施行日後の貸金業法施行令・同施行令附則・同施行規則・同施行規則附則・利息制限法・同施行令・出資法・同施行令が掲載されており、執筆等の際にこれらを参照することが多い立場としては参考になる。これだけで約200頁を要しており、4段階施行の対照表までは、さすがに掲載する余裕はなさそうだ。


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