« February 2008 | Main | April 2008 »

新銀行東京展望なき延命(下)提携構想、金融界冷ややか

日本経済新聞3月29日付け。

記事によると「高額の預金者も多くペイオフ(預金などの払戻保証額を元本一千万円とその利息までとする措置)による破綻処理も非現実的」ということであり、高額預金者は「多い」という評価になるらしい。

高額預金者が多いとペイオフができないとは。そういう制度だったのだろうか。

また、記事では国会による責任追及が行われる可能性があるとのことだが、むやみな貸し渋り批判をして石原銀行構想を歓迎した与野党議員たちの責任追及もあわせてすべきだろう(どっちもどっちだから黙れという趣旨ではない)。

記事によると、金融庁では「一度検査に入れば、正常債権を含めて厳しく査定しなければならない」と、検査入りを躊躇しているとのことであるが、きちんと査定するのは当然のこと。検査に入るかどうか、また査定がきちんと行われるかどうかに匙加減があるとすれば、厳しい査定があることを前提に内部統制を行ってきた他の金融機関に対する示しがつかなくなる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中日応援団2団体に活動禁止措置

asahi.com:中日応援団2団体に活動禁止措置

記事によると、プロ野球暴力団等排除対策協議会は、中日の私設応援団2団体に対し、組織的応援ができる特別応援許可を出さず、うち1団体の一部会員26人は全球場への入場を禁止することを決めたという。全球場への入場禁止というのは相当の事情があってのことだと思われるが、記事には決定に至った理由が書いていないのでわからない。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

暴力団対策法の一部改正に対する意見書/日弁連

日弁連の2月14日付け意見書が公表されている。
日本弁護士連合会:暴力団対策法の一部改正に対する意見書
意見の趣旨を転載。

今般、警察庁が改正検討項目を公表し今通常国会に提出が予定されている暴力団対策法の一部改正法案は、市民・企業・行政機関等への暴力団による被害に対する効果的な対策となるものと考えるから、同法案は、速やかに成立・施行されるべきである。
また、近時の暴力団等による悪質な資金獲得活動等の実態に鑑み、政府においては、引き続き効果的な暴力団対策を検討すべきである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

金融庁長官の申立てにより日本ファースト証券が破産

町村先生の宿題を解く週末。弥永先生のコメントのあとになり畏れ多いが・・・

Matimulog:bankruptcy:日本ファースト証券
NIKKEI NET:日本ファースト証券、金融庁が破産申し立て

記事によると「金融庁が14日に東京地裁に出していた日本ファースト証券(東京・中央)の破産申し立てが19日、受理された」ということだが、申立てが14日で受理が19日というのはどういう意味だろう?

根拠法は(もう答えが出てますが)金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(更生特例法)でありますね。
模範六法には(当然)掲載されていないが「倒産・再生再編六法」にも掲載されていないのはこれ如何に(条文番号で560条まである、けっこう大規模な法律だから?)。

第1条(目的) この法律は、協同組織金融機関及び相互会社について、利害関係人の利害を調整しつつその事業の維持更生を図るためその更生手続に関し必要な事項を定めるとともに、金融機関等の更生手続、再生手続及び破産手続について、監督庁による申立て及び預金保険機構等による預金者等のためにするこれらの手続に属する行為の代理等に関し必要な事項を定めること等により、預金者等の権利の実現を確保しつつ、これらの手続の円滑な進行を図ることを目的とする。

(定義)
・協同組織金融機関:信用協同組合、信用金庫または労働金庫(法2条2項)
・金融機関:銀行または協同組織金融機関(法2条3項)
・銀行:銀行法2条1項に規定する銀行(普通銀行)と長期信用銀行法2条に規定する長期信用銀行(法2条1項)
・監督庁
(1)銀行、信用金庫、信用協同組合、証券会社、保険会社及び少額短期保険業者(保険業法2条18項に規定する少額短期保険業者)について→内閣総理大臣
(2)労働金庫について→内閣総理大臣及び厚生労働大臣

第1条だけを見ると証券会社は出てこないが、ここに出てくる。

第490条(破産手続開始の申立て等)第1項 監督庁は、金融機関、証券会社、保険会社及び少額短期保険業者に破産手続開始の原因となる事実があるときは、破産手続開始の申立てをすることができる。

(「破産手続開始の原因となる事実」について)基本事項ですが。。
破産法15条(破産手続開始の原因)
1 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第30条第1項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。
2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。
(定義)
支払不能:債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(略)をいう(破産法2条11項)
同法16条(法人の破産手続開始の原因)第1項
債務者が法人である場合に関する前条第1項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。


ところが、金融庁のリリース
金融庁:日本ファースト証券株式会社に対する行政処分等について
によると、
当社からの財務に関する報告によれば、当社は資産超過の状況となっており、店頭デリバティブ取引(外為証拠金取引)の顧客を含めた債権者に全額弁済できる可能性がある現時点において、顧客資産の保全等を図る必要があることから、金融庁長官が、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第490条第1項及び第495条第1項の規定に基づき、東京地方裁判所に対して、当社に対する破産手続開始の申立て及び保全管理命令の申立てを行いました。

とされており、債務超過でない(資産超過)と明言しているので、支払不能のほうで破産手続開始の申立てをしていると思われる。資産超過と支払不能が両立する例なのであろう。

伊藤眞「破産法・民事再生法」76頁より
「たとえ財産があっても、その換価が困難であれば、支払不能とされるし、逆に財産がなくても、信用や収入にもとづく弁済能力があれば、支払不能とはされない。この点で、支払不能は債務超過と区別される」
なお、
第548条(権限の委任) 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
ということなので、記事のうち「金融庁が14日に東京地裁に・・・」というのは、正確には「金融庁長官が14日に東京地裁に・・・」とすべきだろう(細かいツッコミですが)。上記の金融庁のリリースでは、
金融庁長官が、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第490条第1項及び第495条第1項の規定に基づき、東京地方裁判所に対して、当社に対する破産手続開始の申立て及び保全管理命令の申立てを行いました」
と正確に書いてある。

なお、同社は21日に破産手続開始決定を受けた模様。NIKKEI NETの記事
NIKKEI NET:日本ファースト証券、FX預かり資産「1―2割棄損の可能性」

によると、

「外国為替証拠金取引(FX)の不備で金融庁による破産手続き開始の申し立てを受けた日本ファースト証券(東京・中央)の破産管財人が21日、記者会見し、分別管理していなかったFXの預かり資産が「1―2割棄損する可能性がある」(破産管財人の宮川勝之弁護士)ことを明らかにした」
ということだが「・・・の不備で東京地裁による破産手続開始決定を受けた・・・の破産管財人が21日、記者会見し・・・」と書かないと「破産手続開始の申立てがあっただけ(破産手続開始決定を受けたと書いていない)なのにどうして(破産手続開始決定時に選任される)破産管財人が出てくるのだろう」という微妙な印象を受けてしまう。

NIKKEI NETで「日本ファースト証券」で検索しても上記2本の記事しかヒットせず、肝心の「日本ファースト証券が破産手続開始決定を受けた」という記載が見あたらないのも微妙。例えば、

時事ドットコム:日本ファースト証券が破産=負債総額15億円、債権者数700人

では「日本ファースト証券(東京)が21日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた」とはっきり書いてある。ただ「金融庁が顧客財産保全のため、破産を申し立てていた」という部分は正確には「金融庁長官が顧客財産保全のため・・・」となるが。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

滝野川信金に信金中金が200億円を支援

asahi.com:資本不足の滝野川信金 信金中金が200億円支援へ

記事によると、
「このままだと・・・自己資本比率が、国内業務を継続するのに必要な4%を下回る見通しになった」
「決算期末の今月31日を払込日とした200億円の優先出資証券の募集を開始。信金中金は、この優先出資証券を引き受ける」
とのこと。年度末に向けていろいろ動きがあるようです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

「ペイオフは選択肢にない」新銀行東京

日経ヴェリタス3/16号(創刊号)「まいた種に苦悩する津島代表執行役」より。
記事によると「都の負担が最小になるペイオフは、預金者への影響が大きく石原知事の進退問題に発展するため選択肢にない」という。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

新銀行東京の元本1000万円超預金は9600口座477億円

日本経済新聞3月12日付け朝刊。
記事によると、都議会予算特別委員会で東京都が明らかにしたという。このような質疑がされているということは、一部定額保護(ペイオフ)制度の導入が金融機関の経営に規律をもたらしていることの現れといえる。

この記事によると、現時点で破綻処理を選択した場合に預金者に生じる損失は477億円の一部である(全部ではないがカット率を事前に予測することは困難だろう)。これを避けるために東京都が400億円を追加出資することが適切かどうか、結論ありきではなく冷静に議論すべきと思われる。

なお、記事では金額ベースでの「分母」は4113億円とされているので、保護対象外預金の割合は約12%。
件数ベースでの分母は記事では明らかでないので比率は不明。
店舗数は本店を含み9店のようなので、単純計算すると1店舗あたり約1700件。多いと見るか少ないと見るかはわからない。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

暴力団対策法の一部改正案、国会提出へ

改正内容は以下のとおりである。いずれも異論のないところであろう。

・暴力的要求行為の追加
・対立抗争等に係る暴力行為等の賞揚の規制
・損害賠償請求等の妨害の規制
・威力利用資金獲得行為に関する指定暴力団の代表者等の損害賠償責任
・暴力排除活動の促進

警察庁:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について

| | Comments (0) | TrackBack (0)

日本貸金業協会「基本規則」の概要と今後の課題

ファイナンシャルコンプライアンス(銀行研修社)4月号に執筆の機会をいただきました。
内容は・・・タイトルそのままです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« February 2008 | Main | April 2008 »