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金融行政の針路/摘めるかリスクの芽(上)危機回避「公的」頼らず

日本経済新聞9月8日付け朝刊。
自由主義経済において、倒産は避けて通れない現象であり、あとはその損害をどのように分担するかという問題が残るだけである。金融機関の倒産現象に即して言えば、
1)債権者(主として問題になるのは預金債権者)にその損害を分担させるか、それとも、
2)債権者以外の、倒産金融機関とは関係がない第三者にもその損害を分担させるか
の問題である。
日本では、これまで無制限の国民負担(預金全額保護)が選択されてきたが、それが一部制限されることになった(ペイオフ=一部定額保護の導入)。
記事には「昨年秋、東京建設信組の経営危機が雑誌で報じられると関東財務局が窓口役で信組業界と協議。『ペイオフを発動しない』『資本不足でも国は公的資金を原則として注入しない』『まず業界で資本支援を検討する』との三原則を固めた」とあるが、その順序が問題である。ペイオフ(一部定額保護)が制度として導入された以上は「ペイオフを発動しない」という結論が先にあるということはあり得ない。
順序を入れ替え、かつ、表現を正しくするとすれば「まず業界で資本支援を検討する」「国による資本注入はなるべく避ける」「ペイオフ発動は最後の切り札なので、できる限り避け、他の手段を最後まで検討する」といったところではなかろうか。
記事の最後には「モラルハザードを招く安易な救済を避けながら」とあるが、倒産金融機関とは関係がない第三者に倒産による損失を分担させる手法は(業界による支援も含めて)多かれ少なかれモラルハザードを招くと言わざるを得ない。ただ、モラルハザードにまったく言及がない記事も少なくないので、言及してあるだけまだ冷静なほうである。

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