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高木新二郎「事業再生の近未来・破綻倒産前再構築-事業再生新立法の提案」

法曹時報第58巻第9号。著者の高木先生から(おそれ多くも)献本をいただいた。
ワークアウト(裁判所外私的整理)の活用により、早い段階(法的倒産手続の開始要件を充足しない段階)で事業再生に着手することができる。したがってそれは「倒産」「破綻」ではない。倒産法・会社法の改正により事業再生の選択肢が増え、金融機関による金融支援(債権放棄等)の基準も整備され、税制も改正されて、ワークアウトを活用する環境も整いつつある。
しかしその最大の問題点は、対象債権者全員の同意が必要であることだ。これはワークアウトが法的倒産手続でない以上、当然のことであるが、同意を取り付けることに失敗した場合には、法的倒産手続に移行せざるを得ず、その場合に、ワークアウト期間中に負担した商取引債権とDIPファイナンス債権をどう取り扱うかが問題となる。教科書どおりに考えると、それらは破産債権(再生債権・更生債権)として、他の債権と同様にカットの対象となってしまうが、それではワークアウトへの協力に躊躇せざるを得ず、ワークアウト自体が円滑に進まない。
この問題に対応するために、3つの提言が紹介されている。
1)事業再生新立法案(著者はこの提言に賛同している)
この立法においても、不同意の債権者が異議申立てをした場合には再建計画は効力を失うものとせざるを得ないと考えられるが、その場合であっても、先行する私的整理中に負担した債権の共益性が認められることが期待できるという。
2)特定調停法一部改正案
または、現行特定調停法の柔軟な運用で足りるのではないかという意見もある。
3)認証機関設置案
権限や、法的倒産手続に移行した場合の意義に問題がある。

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