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破産した会社に計算書類の虚偽記載や粉飾決算の事実があると認めたが、右虚偽記載等と取引先の損害との間に因果関係が認められないとして、取締役及び監査役の損害賠償責任が否定された事例

東京地裁平成17年6月27日判決(確定)
判例時報1923号(5月21日号)139頁

会社役員等がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときや計算書類等に虚偽の記載・記録をしたときには、第三者に対しても損害賠償責任を負うものとされている(会社法429条・旧商法266条の3)。

ただし、常に第三者に対して損害賠償責任を負うものではなく、役員等の行為と第三者の損害との間に相当因果関係がなければならず、会社の倒産によって売掛債権回収不能の損害を被ったとしても、当然に取締役に対して損害賠償を請求することができることにはならない。

本判決では、破産会社における計算書類の虚偽記載(※)や粉飾決算の事実を認定しながらも、この事実と原告の売掛債権回収不能による損害との間の因果関係が認められないとして、役員に対する損害賠償請求が棄却された。

※会社が興信所に渡した計算書類の数値と、確定申告書添付の計算書類の数値が異なることから、虚偽記載が推認されるとされ、一部を除いて虚偽記載と認定された。

また、非公開会社であっても「何らかの方法によって第三者に公表することが予定されている計算書類に虚偽記載があり、そのことによって第三者が損害を被った場合には、取締役が過失がないことを証明しない限り、損害賠償責任を負うことがあると解するのが相当である」とした。

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