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再生債権者表の届出債権の内容に損害賠償金及び遅延損害金等と記載されている場合に、再生債権確定の訴えにおいて請負代金を請求することは許されないとされた事例/民事再生法107条の受継に伴い、請求の趣旨を給付請求から再生債権確定請求に変更することは訴えの変更に当たるとされた事例

仙台高裁平成16年12月28日判決・判例時報1925号(6月1日号)106頁。

<事案>
孫請Xが元請Yに対して、不法行為による損害賠償または不当利得返還請求→請求棄却
X控訴後、Yにつき民事再生手続開始
Xは、金銭給付請求を再生債権確定請求に変更し、これを予備的請求とした。
主位的請求として、XY間の直接の請負契約に基づく請負代金請求を追加した。

<判断>
主位的請求につき却下
予備的請求につき棄却

<理由>
1)主位的請求
再生債権確定の訴えにおいては、再生債権者表に記載した事項についてしか主張できない(民事再生法108条)。

※訴訟当事者とならなかった他の届出債権者など関係人の異議権行使の機会を確保するための規定だが、これを厳格に解すると、債権届出に際して正確な法律構成を選択しなければならず、その選択を誤った場合のリスクを再生債権者が負うことになるという問題がある。

A説:再生債権者表に記載されていない権利については、もはや主張することが許されない
B説:再生債権者表の記載とは異なる原因による債権であっても、請求の基礎に変更がない限り訴えの変更によって請求可能であるとする
C説:経済的に同一と認める範囲であれば法律上別個の権利であっても訴えの変更によって請求可能であるとする

以前の下級審判例はA説の立場を取ったが、近時はB説またはC説を取るものが多い。
本件で控訴人はC説を主張したが、本判決はこれを否定した。

2)予備的請求
「訴えの変更」があったと判断→請求棄却
(訴えの変更がなかったのであれば→控訴棄却)

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