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貸金業規制法施行規則15条2項の違法判断/制限超過部分の利息支払を怠ったことを理由とする期限の利益喪失特約の無効判断

 最二判平成18年1月13日。最高裁ウェブサイト

 貸金業務取扱主任者の講師をしたことがあるので、判決文を読んでみた。ポイントは2点。

1 貸金業規制法施行規則15条2項の違法判断
(1)貸金業規制法では次のとおり規定されている。

・18条1項柱書「・・・内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した書面を当該弁済をした者に交付しなければならない」
・同項6号「前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項」

 つまり、法が内閣府令に委任しているのは、18条書面の「交付方法」と、法定事項に「追加すべき事項」に限られている。
(2)しかるに、内閣府令にあたる施行規則15条2項では、次のとおり規定されている。

「契約を契約番号その他により明示することをもって、同項第1号から第3号まで並びに前項第2号及び第3号に掲げる事項の記載に代えることができる」

(3)これは、内閣府令に対する法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効と解すべきである。

2 制限超過部分の利息支払を怠ったことを理由とする期限の利益喪失特約の無効
(1)債務者が、事実上にせよ強制を受けて利息の制限額を超える額の金銭の支払いをした場合には、制限超過部分を自己の自由な意思によって支払ったものということはできず、法43条1項の規定の適用要件を欠くというべきである。
(2)本件期限の利益喪失特約のうち・・・制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は、同項の趣旨に反して無効であり、上告人は、支払期日に約定の元本及び利息の制限額を支払いさえすれば、制限超過部分の支払を怠ったとしても、期限の利益を喪失することはなく、支払期日に約定の元本または利息の制限額の支払を怠った場合に限り、期限の利益を喪失するものと解するのが相当である。

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