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株主装い総会屋代表実刑、京都地裁判決

 日本経済新聞1月26日付け夕刊。
 「児玉グループ」代表、玉水秀蔵被告人らが株主になりすまして銀行などの株主総会に出席したことにつき、無罪主張を排斥して建造物侵入罪の成立が認められたとのこと。

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釧路市制度融資、決済性預金から定期に

 日本経済新聞1月26日付け地方経済面(北海道)。

 無利息の決済用預金→定期預金に移行。これで利息収入が増大するという。
 「では金融機関の破綻リスクはどうする?」と思いながら読み進めると、
 「市の長期借入金と相殺される」との市役所幹部談話を取っている。
 しかも、一部金融機関では預金が借入金を上回るため、差額は従来どおり決済用預金にとどめるという。
 この記事内容はわかりやすい。
 ただ、金融機関の経営が安定したと判断してこのような措置を講じたように記事には書いてあるが、借入金との相殺は、金融機関の経営の安定度と関係なく、ペイオフ(一部定額保護)解禁と同時にできたことなので、そこだけ突っこみ不足なのが残念。

 それから、タイトルだけ読むと一瞬だけ「?」となるのは私だけだろうか。
 制度融資(の原資を)決済性預金から定期預金に移し替えるという意味。そりゃそうだけど、そこを略すかなあ。。

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破産会社が破産の申立てをすることを知りながら、破産会社の幹部が、自らの利益をはかって、支払停止に陥った破産会社から資産を取得した行為につき、不法行為の成立が認められた事例

 東京地裁平成16年9月29日判決(確定)。判例時報1911号124頁。
 財産隠匿行為を、破産管財人に対する不法行為と構成して損害賠償を認めた裁判例は本件以前には見あたらないということである。

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債権の差押えに基づき第三債務者として弁済した旨の抗弁に係る主張の補正及び立証について釈明権の行使を怠った違法があるとされた事例

 最高裁平成17年7月14日判決。判例時報1911号102頁。
 釈明権(149条1項)は裁判所の権能であるとともに、義務でもあると解するのが判例。
 本件は、釈明権の行使を怠ったことが「判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとき」(民訴法325条2項)にあたるとして、破棄差戻しとなった。

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銀行が相続財産である預金債権の全額を共同相続人の一部に払い戻した場合について他の共同相続人にその法定相続分の預金の支払いをした後でなくても当該銀行には民法703条所定の「損失」が発生するものとされた事例

 最高裁判決平成17年7月11日付け。判例時報1911号97頁。
 不当利得返還請求権の成立要件である「損失」の有無についての判断。

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「つぎはぎ高裁判決批判」に、ちょっと待った!

うわさの「つぎはぎ高裁判決批判」(平成18年1月19日最高裁第一小法廷判決・最高裁ウェブ)を読んでみた。
つぎはぎ高裁判決は読みにくいが、これはこれで正確性を保つためにしかたがないのだろうとあきらめていた。そういう実務家の惰性を許さずガツンと言った最高裁。さすがである。判決文を読んでみた。
すると「判決書の作成にコンピュータの利用が導入された現在では,第1審判決書の引用部分をコンピュータで取り込んで,完結した形の控訴審の判決書を作成することが極めて容易になった」と。そうそう!・・・だがしかし、その直後、

現に,「以下,原判決『事実及び理由』中の『事案の概要』及び『当裁判所の判断』の部分を引用した上で,当審において,内容的に付加訂正を加えた主要な箇所をゴシック体太字で記載し,それ以外の字句の訂正,部分的削除については,特に指摘しない。」,

あるいは「以下,控訴人を『原告』,被控訴人を『被告』という。なお,原判決と異なる部分(ただし,細かな表現についての訂正等を除く。)については,ゴシック体で表記する。」

等の断り書きを付して,控訴審判決書の中に引用部分をとけ込ませ,自己完結的な控訴審判決書を作成している裁判体もある。

というのを読んで、むむうとうなってしまった。ゴシック体まじりとなると、テキスト形式では識別できなくなってしまう。

この判決後、高裁がみな泉判事の補足意見になびいてゴシック体まじり判決になると、テキストデータによる公表を原則としている最高裁ウェブはどのように対応するのか。

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現実的かつ危険性のない防護策

落合先生の「日々是好日」より。
弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」:[話題]物騒な世の中ですし…県庁職員“武装”で予算案計上

昨日に続き、自治体の不思議な対応。

一般市民である自治体職員が武装グッズを持つという。職員が暴力団事務所に連行されそうになったということだが、武装グッズで抵抗せよという趣旨だろうか。そうではなく、自治体職員に必要なのは、落合先生が指摘するように「現実的かつ危険性のない防護策」である。

物騒な状況は昨日今日始まったわけではないのに、現実的かつ危険性のない防護策についてのノウハウの欠如が透けて見えるニュースである。ノウハウを蓄積せずに、どのように行政を行ってきたのだろう。

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大阪市有地に暴力団事務所 占有を20年放置

 asahi.com:大阪市有地に暴力団事務所 占有を20年放置

 「市の担当者によると、法的措置に踏み切る前には当事者との交渉が必要と思い込んでいた」ということだが、担当者は入れ替わるはずであり、歴代の担当者全員が誤解していたとも考えにくい。また、ある時点における1人の誤解が組織的に解消できなかったとすれば、組織におけるチェックシステムに問題があるということになる。また、大阪市ほどの組織が、弁護士に相談することを思いつかなかったという説明も通用しないだろう。この記事だけではわからないことが多い。

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貸金業規制法施行規則15条2項の違法判断/制限超過部分の利息支払を怠ったことを理由とする期限の利益喪失特約の無効判断

 最二判平成18年1月13日。最高裁ウェブサイト

 貸金業務取扱主任者の講師をしたことがあるので、判決文を読んでみた。ポイントは2点。

1 貸金業規制法施行規則15条2項の違法判断
(1)貸金業規制法では次のとおり規定されている。

・18条1項柱書「・・・内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した書面を当該弁済をした者に交付しなければならない」
・同項6号「前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項」

 つまり、法が内閣府令に委任しているのは、18条書面の「交付方法」と、法定事項に「追加すべき事項」に限られている。
(2)しかるに、内閣府令にあたる施行規則15条2項では、次のとおり規定されている。

「契約を契約番号その他により明示することをもって、同項第1号から第3号まで並びに前項第2号及び第3号に掲げる事項の記載に代えることができる」

(3)これは、内閣府令に対する法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効と解すべきである。

2 制限超過部分の利息支払を怠ったことを理由とする期限の利益喪失特約の無効
(1)債務者が、事実上にせよ強制を受けて利息の制限額を超える額の金銭の支払いをした場合には、制限超過部分を自己の自由な意思によって支払ったものということはできず、法43条1項の規定の適用要件を欠くというべきである。
(2)本件期限の利益喪失特約のうち・・・制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は、同項の趣旨に反して無効であり、上告人は、支払期日に約定の元本及び利息の制限額を支払いさえすれば、制限超過部分の支払を怠ったとしても、期限の利益を喪失することはなく、支払期日に約定の元本または利息の制限額の支払を怠った場合に限り、期限の利益を喪失するものと解するのが相当である。

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競売対象建物の関係者の中に暴力団幹部がいることを執行裁判所が把握しながらその点を物件明細書や現況調査報告書に記載しなかったことが物件明細書の作成及び売却手続に重大な誤りがあるとして、抗告審において売却許可決定が取り消された事例

 東京高裁平成17年8月23日決定。判例時報1910号(1月11日号)103頁。

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ペイオフ対策で金融機関選別進む

 日経金融新聞1月11日付け3頁「金融機関人気度調査から(下)」より。
 これは、日経金融新聞が全国の上場企業を対象に実施した第十九回金融機関人気度調査の結果の紹介記事。
 ペイオフ解禁への対応として「決済用預金に振り替えた」が34.3%。ただし、これは低金利だからこそであり、金利が上がれば普通預金などへの移動を検討せざるを得ず、その際に金融機関の選別が進む可能性があるという。ということは、金利上昇局面で預金移動(預金減少)が生じる可能性があるということか。
 また、部分解禁時と比べると額は小さいものの、企業が中小金融機関からより規模の大きい銀行に預金を移す動きが広がったという。

※ペイオフ(一部定額保護)というカテゴリを設けました。

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個人情報保護法セミナーのご案内

セミナーの機会をいただきました。長く熱いタイトルですが・・・

お客様相談室、総務部の方に朗報です
秘密録音・録画、情報提供等が
全部出来る法的根拠と対応実務 教えます
~お客様相談室、総務、秘書室の皆様、個人情報保護法を始めとした、
法律に振り回されないための理論武装と説明の仕方を学びましょう!~
http://www.access-brain.co.jp/page034.html
日時 平成18年2月23日(木)13:30~17:00
場所 かんぽヘルスプラザ東京

※「知り合い割引」?が可能だそうですので、私の知り合いでセミナー参加を希望されるかたはご連絡下さい。

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事業再生と債権管理・冬号

 またしても読み飛ばせない記事ばかり。
 年頭に当たり仕事以外の本を読もうと心に決めたばかりだが・・・

 ところで、金融法務事情1759号(1月5日・15日合併号)に「ほうむBLOG」という匿名コラムが掲載されている。きんざいのサイトでblogが開始されたわけではなさそうなので、これは純粋に紙媒体の雑誌のコラム名らしい。法律雑誌の記事名に「blog」という言葉が登場したのは初めてではなかろうか。

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2005年の個人情報保護関連10大ニュース

 昨年「〈図解〉個人情報保護法 - 中小企業・個人事業者にも役立つビジュアル対策マニュアル」(朝日新聞社)を共同で執筆した中康二氏が、個人情報保護関連の10大ニュースを発表した。

個人情報保護blog:2005年の個人情報保護関連10大ニュースを発表!

 このうち、個人情報保護法の弊害といわれていることの一部が、同法への誤解・認識不足に基づくものであること、とくに「単なる法律を盾に取ったサボタージュ以外の何物でもない」との指摘は重要である。

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「法務省民事局長に聞く民商事法改正の動向」

 あけましておめでとうございます。

 今年初のエントリは金融法務事情1759号(1月5日15日合併号)1頁。
 なんと金融法務事情が横書きになった。
 記事のうち、今後の立法課題をメモ。

1)国際私法現代化
 平成17年夏に法制審議会答申済み
 平成18年通常国会に提出予定

2)信託法現代化
 法制審議会部会審議中
 平成18年通常国会に提出予定

3)公益法人法制の抜本的改革
 平成18年通常国会に提出予定

4)電子債権
 平成17年12月に法務省の研究会が報告書「電子債権に関する私法上の論点整理」を発表
 近いうちに法制審議会に諮問か

5)商法改正
 会社法施行後の商法は現在次の3編で構成される。
 保険法については本格的な見直しを検討。

第一編 総則(1条~32条)(33条から500条は削除)
第二編 商行為(501条~683条)
 第一章 総則(501条~522条)(533条は削除)
 第二章 売買(524条~528条)
 第三章 交互計算(529条~534条)
 第四章 匿名組合(535条~542条)
※ここまで現代語(ひらがな)化。以下はカタカナのまま。
 第五章 仲立営業(543条~550条)
 第六章 問屋営業(551条~558条)
 第七章 運送取扱営業(559条~568条)
 第八章 運送営業(569条~592条)
 第九章 寄託(593条~628条)
 第十章 保険(629条~683条)
第三編 海商(684条~851条)

6)競売制度の改善検討
 例の民間開放というやつか。

7)非訟事件手続法
 会社法切り出し後の全面的見直し

8)1980年国連国際物品販売条約への加入検討

9)民法財産法編のうち債権法についての抜本的見直し

10)国際裁判管轄規定の検討

11)包括担保法制の検討

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