« 小川薫氏の日経新聞に対する損害賠償請求棄却(東京地裁) | Main | 法務省、担保不動産競売の迅速化のために民間開放を検討 »

MMFの受益証券の購入者を債務者、販売会社を第三債務者、MMFの受益証券に係る解約返戻金債権を差押債権とする差押命令による解約返戻金支払請求の可否(消極)

 東京高裁平成17年4月28日判決(上告)。判例時報1906号54頁。

 債権者X→債務者A(MMF受益証券購入者)→第三債務者Y(MMF販売者)
 X:MMF受益証券に係る解約返戻金債権を差押債権として債権差押転付命令取得・取立訴訟提起。
 第一審はXの請求を認容したが、控訴審は原判決取消・請求棄却。

 A→(投資信託総合取引規定に基づく解約の実行請求)→Y
 Y→(証券投資信託受益証券の募集・販売に関する契約に基づく通知)→信託委託者B
 信託委託者B→(追加型証券投資信託約款に基づく解約)→受託者C(信託銀行)

「販売会社Yは、解約の手続において、委託者Bに対して解約の実行請求を通知するとともに、一部解約返戻金が委託者Bから交付されたときに受益者Aに交付する義務を負うにすぎないものであって、本件信託契約を解約することができる適格に欠ける」
「Aにおいて、Yに対して解約返戻金支払請求権を有するものではないから、Xにおいて、本件差押債権として、本件受益証券に係る解約返戻金請求権を取得することができず、当該差押えの権能として、Bに対して解約の意思表示をすることも、また、Yに対して解約の実行請求をすることもできない」

 で、どうすりゃいいのかというと、
「XがAに対する債権者代位権に基づき、Yに対して、Bに対する解約実行の通知をすることを請求し、さらにはYが解約返戻金の交付を受けたときにその給付を請求する方法があり得る」
とのこと。

 問題は、Xは東京地裁民事執行センターの取り扱いに基づいてこのような手続を行った模様であること。
 東京地裁の取扱いは、水谷里枝子「投資信託受益権に対する執行」(西岡清一郎ほか編「民事執行の実務」(下)165頁)で紹介されているが、本判決はこの取り扱いを否定するものであり、記事コメントもこの取り扱いが疑問であると述べている。
 上告審での判断及び東京地裁の今後の対応が注目される。

|

« 小川薫氏の日経新聞に対する損害賠償請求棄却(東京地裁) | Main | 法務省、担保不動産競売の迅速化のために民間開放を検討 »

担保執行法」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11972/7433098

Listed below are links to weblogs that reference MMFの受益証券の購入者を債務者、販売会社を第三債務者、MMFの受益証券に係る解約返戻金債権を差押債権とする差押命令による解約返戻金支払請求の可否(消極):

« 小川薫氏の日経新聞に対する損害賠償請求棄却(東京地裁) | Main | 法務省、担保不動産競売の迅速化のために民間開放を検討 »