経営者を選ぶのは誰か
Law Maniac:労働組合とM&A
日活の労働組合が USEN による日活買収に反対している件について「こんぷら奉行」Law Maniacさんがコメントしている。
現経営陣が株主を選ぶがごとき不埒な第三者割当増資を「許すまじ」、と考える私といたしましては1円たりとも資本を提供していないであろう従業員が経営者を選ぶなど、株式会社制度そのものを否定する主張であり、到底是認できません。労組のみなさま。
会社更生を支援したナムコさんとしてみれば、ぶっこんだ資金を回収する出口策が必要です。
USENの企業体質がイヤだからUSEN以外のスポンサーを探せ、と、ダダをこねるのではなく、どこかのファンドを口説いて資金調達して、ナムコ保有株を取得してはいかがでしょうか。
従業員持株制度等があるかどうか未確認なので、従業員が「1円たりとも」資本を提供していないかどうかはわからないが、基本的に同感である。もし組合側の主張に利があるならファンドを口説くことが可能であろう。もし口説くことができないのなら、Law Maniacさんに「ダダをこねる」と評価されてもやむを得まい。
倒産処理手法の選択等について、労働組合やゴルフ会員団体等の各種団体からこの種の主張を受けることは少なくない。「どんな資金的裏付けを持った合理的提案がなされるのか」と淡い期待をもって提案を読むが、これまでにその期待がかなえられたことはない。
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Comments
ご無沙汰しております。
鶴巻先生、トラックバック、ありがとうございました。
こんぷら奉行兼がばなんす大臣といたしましては、どうにも " 私の中のゴーストが囁く " 案件です。
経営陣の無能を糾弾するのはけっこうですが、ただ反対するばかりで説得力のある対案が提示されていないので、思うわけです。
「だったら、おまえらで経営してみろ!」と。
Posted by: minori | 2005.05.11 at 13:07