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出した名刺がDM発信に使われるのは常識?

 経済産業分野ガイドラインより。
 利用目的が自明の場合の利用目的通知公表義務の除外(法18条4項4号)に関して、名刺交換により個人情報を取得する場合につき、当初案では「ただし、ダイレクトメール等の目的に名刺を用いる場合を除く」とされ、名刺交換により得た個人情報をDM発信に用いることは自明の利用目的に該当しない(DM発信に用いることにつき利用目的通知公表義務は除外されない)ことと明記されていた。
 しかし、パブリックコメントにおいて指摘を受けた結果「ダイレクトメール等の目的に名刺を用いることは自明の利用目的に該当しない場合があるので注意を要する」と微妙に変更された。

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情報ネットワーク法」カテゴリの記事

Comments

 一般には、名刺交換の際に、「弊社のご案内をお送りしてもよろしいですか?」とお伺いするというビジネスマナーの問題としたいところです。(こんなところまで行政規制の対象にしたくないですから。)
 でも、いくら情報源が名刺であったとしても、その後、DBに格納されることになりますと、市販の名簿情報から入力した結果と大差なく、さらにその後の情報が付加されていくと、元が名刺であったか、なかったか、ということはあまり本質的問題ではなくなるということなんでしょうね。そう考えると個人情報保護法の対象とせざるを得ないことになります。
 つまり、その後のハンドリングしだいでは、直接書面取得の際に、利用目的の明示をしておくべきことになりますが・・・(その後の利用目的管理を考えると口頭での明示はまずいのかなぁ・・・とか、後日、利用目的の変更として同意を得る方法もあるなぁなど)、やはり考えだすと面倒きわまりないですね。
 これから、個人情報保護法をどう運用していくべきなのか。どこまで法化が進むのか・・。行政規制とモラルの境目がようわからんようになっています。

Posted by: 鈴木正朝 | 2005.01.11 at 10:02

鈴木 様

こんにちは。

名刺を利用したDMの発行について,個人情報保護法の解釈・運用にはさまざまな立場があり得ると思います。

私は,こう考えます。

まず,欧米なみに,事前の同意なしのDM発行それ自体を違法とする立法をすべきです。これによって,問題を根源から断ち切ることができます。ただし,立法化には時間がかかる。

そこで,個人情報保護法の解釈としても,名刺データをデータベースに入れる行為は,新たな個人情報の取得と解釈すべきだと思います。もちろん,名刺を受領しただけでは個人データベースになるわけではありません。
そして,名刺から個人データベースを生成し,DM等を発行する企業は,通知公表の要件を満たすべきだと思います。
もしそうなってるのであれば,私は,Google等の検索エンジンでそのような利用をする企業名をリストアップしておき,該当する企業の方に対しては,「あなたが嫌いだというわけではないが,あなたの会社のポリシーには賛同しかねるので,名刺をお渡しするわけにはいかない」と明確にお断りすることができるようになるでしょう。
もちろん,Web上の公表さえしないでDMをおくりつけてくる企業に関しては,主務大臣に対し,どんどん苦情申告をすべきだと思います。

このように,個人情報の本人にとって利用可能な防御策が非常に少ない現行法の下では,通知公表の要件及びその解釈を強化することによって,本人の側で利用可能な「個人情報保護軽視企業」の逆リストのようなものを生成可能にするのがよいのではないかと思っています。

なお,私個人は,DMによって購買意欲を増強される可能性の比較的低い人間であり,逆に,DMを送ってくるような企業に対しては嫌悪感をもつようなタイプの人間です。おそらく,このような感性をもった人間は,少数派ではないと思います。企業は,マーケティングというものを根本から考え直すべき時期にきていると思います。いつまでたってもどこかの国のインチキ経営学本のできの良くない翻訳書ばかり読んでいるのであれば,大人の企業になれないのは当然だと思います。

Posted by: 夏井高人 | 2005.01.16 at 12:47

みなさんありがとうございます。
私は、この点についての経済産業分野ガイドラインの改訂版の記載に限っては、さすが絶妙と思っているほうです。

名刺交換の場面にかかわらずDMを送ってくる事業者はさすがに少ないのではないでしょうか?
(名刺交換しただけで年賀状を送ってくる事業者はそこそこいますが)
(年賀状もDMダイレクトメールだといえばそうかもしれませんが。いわゆる広告が送られてくる場合とは受け止められかたが異なるともいえるのでは)

名刺交換→DMなのは、展示会とかそういう場面ですよね。このような、まさに自明のときまで明示を求めるのは過剰のような気がします。

いかがなものでしょうか。
それから、夏井先生、「欧米なみに,事前の同意なしのDM発行それ自体を違法とする立法」は、どのあたりを勉強すればよいでしょうか??
(できれば日本語で・・・)

Posted by: 鶴巻 暁 | 2005.01.17 at 23:52

鶴巻 先生

夏井です。

年賀状は,現時点では宣伝広告じゃないですけど,そのうち郵便事業の自由化が進めば,葉書にバナー広告のようなものをいっぱい貼り付けたものがおくられてくるようになるでしょうから,ポップアップ広告と同じように厳しく規制をしていかないといけないではないかと思います。
葉書を受け取る人間は,宣伝広告を見たくて受け取るわけではありませんので。

展示会などで名刺交換→DMが普通だと考えるのには,ちょっと賛成しかねます。
業界人だけが参加できるイベントであればともかく,慣行になっているのかもしれませんが,そうだと思っていない一般の参加者もたくさん来場する公開型のイベントもあります。そのような一般人に対して業界の慣行を押し付ける行為は,暴力に近いのではないでしょうか?
少なくとも,展示会の会場の入り口には「名刺交換をすれば,大量のDMが送付されてきて嫌な思いをしたり,日常生活上の支障が発生したりすることがありますので,十分にお気をつけください。なお,来場者各自の判断で名刺交換をしたことによりどのような結果が発生したとしても,主催者は一切の責任を負いません。」という警告文のようなものを掲示しておくべきだろうと思います。

それから,文献についてですが,普段,それぞれの原語で世界各国の法制を調査しているので,日本語の文献については,不勉強にしてよく分かりません。ごめんなさい。

Posted by: 夏井高人 | 2005.01.18 at 07:25

コメント遅くなりました。
夏井先生がご存じないということは不存在の立証がなされたも同然ですね。残念・・・
要するに「DM覚悟の展示会でなければアウト」という部分は問題ないと思うのですが、DM覚悟の展示会であることをどの程度明示させるかという問題ではないかと思います。
そうなると、鈴木氏の「どこまで行政規制を及ぼすべきか」という問題意識が重要になってくるのではないかと思います。

あと、夏井センセ、バナー広告付き年賀状、私はすでに目撃しております。宛名面に某社の広告が表示されているので、なんで某社から年賀状が来るんだろうと思ったら、某社に勤務しているわけでもない知り合いからの年賀状でした。詳細不明ですが50円より安いのではないでしょうかね。

Posted by: 鶴巻 暁 | 2005.01.29 at 00:50

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