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ブラックリストの保有個人データ該当性

 引き続き「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」から。

 まず、前提として、個人情報保護法2条5項では「その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの」「保有個人データ」から除外されると定めており、これを受けた政令3条2号では「当該個人データの存否が明らかになることにより、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがあるもの」と定められている。

 経済産業省ガイドライン7頁では、上記の事例として以下の2点が挙げられており、非常に興味深い。

事例1)いわゆる総会屋等による不当要求被害を防止するため、事業者が総会屋等を本人とする個人データを持っている場合
事例2)いわゆる不審者、悪質なクレーマー等からの不当要求被害を防止するため、当該行為を繰り返す者を本人とする個人データを保有している場合

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情報ネットワーク法」カテゴリの記事

Comments

鶴巻 先生

夏井です。

お世話になっております。

このガイドラインの記載は無意味かもしれませんね。

なぜなら、「当該個人データの存否が明らかになることにより、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれ」は客観的に存在することを要し、当該事業者が主観的にそう思っているだけでは駄目だからです。たとえば、差別主義者の企業が平等主義者のブラックリストを持っている場合などブラックリストを持つことそれ自体が逆に違法である場合がそうです。
このような場合、「当該個人データの存否が明らかになることにより、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれ」は存在せず、「当該個人データの存否が明らかになることにより、当該個人情報取扱事業者が社会から厳しい批判を受けるおそれ」しか存在しないからです。
したがって、このような例では、当該個人情報取扱事業者が開示の求めなどを拒むことは、個人情報保護法違反になると考えられますね。

ところが、そのようなブラックリストの存在それ自体が適法であるのか違法であるのかを客観的に確定するための手順が定められていない。だから、どの企業も、結局は、某自動車企業のように、内部で情報隠匿をし続けるという違法状態を継続することになりそうです。

その結果、この点に関しては、個人情報保護法は「ザル法」化せざるを得なくなるという予測をたてています。

Posted by: 夏井高人 | 2004.07.02 at 09:46

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