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株主総会、じっくり議論を

 asahi.comの記事「好業績でも長時間、トヨタ株主総会で法令順守求める声」

 どんなに長時間かと思えば2時間51分だという。「よく議論して充実した」あるいは悪く評価しても「許容範囲だが少し疲れるかな」にやや近い程度の長さであって「長時間」と言い立てるほどのことはなかろう。asahi.comのトップページには「トヨタ長~い株主総会」とまで書いているが、いかがなものか。日経・毎日・読売の各サイトには、トヨタの株主総会が長時間であったという趣旨の記事は見当たらない。

 会社によって事情は異なるが、議論する材料があるなら2時間くらいかけても問題ないというべきだ。2時間といっても、報告事項などの諸手続にかかる時間を除くと、質疑にかけられる正味の時間は1時間30分程度、1人10分として9人分。的を射た質疑であれば1人10分もかからないが、株主は会社経営の専門家ばかりではないのだから、要領を得ない質問があっても当然である。よって2時間。ある程度余裕を持って3時間。しかしそれ以上時間をかけても株主も経営陣も疲れてきて、要領を得ない質問も受け止めて議論を充実させようという前向きの意識が議場全体から失われてしまう。どんな大会社でも、会社を揺るがす大事件のあとだとしても、株主総会の充実した議論のためにかけられる時間には上限がある。

 というわけで2時間51分。例えばよほどの不手際があって30分中断して無駄にしたというような話でない限りノープロブレム、その程度の議論ならおおいに結構と考えたい。株主、経営陣、担当者、顧問弁護士のみなさん(以上誰ひとり知りませんが)お疲れさまでした。

(6月24日追記)
 24日付け日経朝刊で次のように言及された。
「総会は2時間51分と過去最長となった。役員報酬の個別化維持などを求める株主提案のほか、社員による国家試験問題の漏えい事件などコンプライアンス(法令順守)について質問する株主らとの質疑応答に時間を費やしたためだ。「国内最強企業」として株主の関心が高まるなか、説明責任を果たす姿勢をより強める判断が働いたようだ」
 一方、前記の朝日新聞のほうは以下のとおり。
「総会では冒頭、議長の張富士夫社長が漏洩問題について「心からおわびしたい」と陳謝した。株主からは、トヨタ東京カローラの元社員らが虚偽の整備記録を作成するなどして車検を不正に通した「ペーパー車検」問題や、国税当局から海外子会社に支払う経費を水増しし、法人所得の一部を申告しなかったと指摘されたことを追及する質問が続き、経営側は釈明に追われた。」

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Tracked on 2004.06.24 at 19:54

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