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日本経団連、企業行動憲章を改定

 日本経団連サイトより。このサイトでは、改定前の憲章もすべて公開しており、ウォッチャー(私だけ?)としてはたいへんありがたい。改定された部分を比較してみると、日本経団連の問題意識が浮かび上がってくる。

 企業は、公正な競争を通じて利潤を追求するという経済的主体であると同時に、広く社会にとって有用な存在であることが求められている。(1996年改定)
 企業は、単に公正な競争を通じて利潤を追求するという経済的主体ではなく、広く社会にとって有用な存在でなければならない。(2002年改定)
 企業は、公正な競争を通じて利潤を追求するという経済的主体であると同時に、広く社会にとって有用な存在でなければならない。(現行)

 2002年改定ではかなりラジカルな表現(=単に~経済的主体ではなく)になったが、今回は比較的穏当な表現に戻っている。しかし、2002年改定前(=~存在であることが求められている)に完全に戻ったわけではない(=~存在でなければならない)。

 そのため企業は、次の10原則に基づき、国の内外を問わず、人権を尊重し、関係法令、国際ルールおよびその精神を遵守するとともに、社会的良識をもって、持続可能な社会の創造に向けて自主的に行動する。

 「人権を尊重し」が付け加えられたのはともかく「持続可能な社会の創造に向けて」と「自主的に(行動する)」というあたりは今回の改定における主要なメッセージのひとつかもしれない。ちなみに、日本経団連は、国際標準化機構(ISO)や経済産業省によるCSR(企業の社会的責任)の規格化や法制化に反対し、企業の自主的な取り組みを重視する立場だと報じられている。

1 社会的に有用な製品・サービスを安全性や個人情報・顧客情報の保護に十分配慮して開発、提供し、消費者・顧客の満足と信頼を獲得する。

 「個人情報・顧客情報の保護」が「第1原則」に掲げられたことは注目に値する。また「(顧客の)満足と(信頼を獲得する)」が付け加えられたことも興味深い。

4 従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現する。

 従業員に関する項目が今回の改定前は6番目であったが、2ランクアップした。従業員の人格や個性に加えて、新たに「多様性」も尊重すべきものとして付け加えられた。

5 環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、自主的、積極的に行動する。

 「人類共通の課題であり」が付け加えられた。

7 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決する。

 ミンボー弁護士としてはこの原則が気になるが、内容・順序とも変更なし。

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