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個人情報の管理に関する債権回収会社に対する要請について

 法務省からサービサー各社に対して、個人情報及び信用情報の情報管理の徹底等につき要請があった(4月21日付けらしい)。

(短いので全文引用)

平成16年4月
法務省大臣官房司法法制部審査監督課

個人情報の管理に関する債権回収会社に対する要請について

 近時,民間の保有する個人情報の大量漏洩事案が発生し社会問題化していることから,本年3月12日に政府のIT関係省庁連絡会議幹事会において民間の保有する個人情報の情報管理の徹底について申合せがされたのを踏まえ,同月30日,当省所管の債権回収会社各社に対し,各社の保有する個人情報及び信用情報の情報管理の徹底並びに各社において個人情報及び信用情報の漏洩の事実を把握した場合は,当省大臣官房司法法制部審査監督課長に報告することを要請しました。

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FAQ/引渡命令における「買受人に対抗することができる権原に基づき占有している事実」の証明責任の所在

 マルバツ問題。

Q 引渡命令に関する民事執行法83条「1項」は、今回の担保執行法改正の対象になっていない。マルかバツか。(答えは一番下)

 さて本題。
 同項但し書きにより「買受人に対抗することができる権原に基づき占有していると認められる者」に対しては、引渡しを命ずることができないことになっているが、この証明責任は占有者が負担すると解される。
 したがって、現況調査及び審尋を経ても占有者の占有権原が不明の場合には、その占有者は引渡命令の相手方となる。

※西岡清一郎ほか「民事執行の実務・不動産執行編」下巻127頁
※中野貞一郎「民事執行法[新訂4版]」503頁
 本書499頁では、昭和54年に民事執行法が制定された際に本条の規定が国会修正された経緯について「国会審議の過程において不見識な反対意見が出て紛糾し」たと、手厳しく指摘している。
 当時の反対意見が不見識だったかどうか、私には何ともいえないが、平成8年改正により「民事執行法制定当時の政府原案とほぼ同じ形に戻した」(本書500頁)のは事実である。
(両書とも、担保執行法改正を踏まえた改訂版が出版されるのだろう。。。)

※上記マルバツ問題の正解は「マル」。一部改正されたのは2項。一瞬迷うのは私だけか??

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「貸出債権市場における情報開示に関する研究会」報告書

 法律系ブログ・ページランキングで当blogを紹介していただいた(ありがとうございます)。「民暴・倒産関係の話題が多い」とのコメントをいただいたので、違うネタを。

 銀行などの金融機関における守秘義務と情報開示との関係について、全国銀行協会を事務局とする研究会が設置され、本年2月から3月にかけて検討された結果が4月9日付けで公表された。

 私は以前から、債権譲渡特約等により制限されない限り、貸付債権を含む指名債権は自由に譲渡できるのが原則である(民法466条)から、債権譲渡のために必要な限度における情報開示は守秘義務に抵触しないだろうと考えていた(個人情報保護法との関係について書いた「債権譲渡に伴う債務者の個人情報の第三者への提供」(「金融コンプライアンス」2003年9月号)参照)が、本報告書は(当然ながら私よりも)深く具体的に検討されており、たいへん参考になる。この報告書中の「基本的な考え方」を引用すると、

1 銀行が企業顧客情報を開示することが認められるか否かは、銀行と顧客の取引関係等に応じて個別具体的に判断すべきであり、守秘義務を画一的・硬直的に解するべきではない。

2 次の場合には当然に顧客情報の開示が認められる。
(1)情報開示について当該債務者企業の承諾がある場合
(2)当該情報が公開情報の場合

3 このほか情報開示が認められる根拠としては、銀行の企業顧客情報の開示が必要かつ正当な理由を有する行為(正当行為)であること、情報開示により当該企業が経済的損害を被る予見可能性がないこと等が考えられる。

4 この場合、情報開示が認められるか否かは、そうした情報開示の必要性・正当性と開示により顧客に及ぼす影響とを、具体的な場面に即して、総合的に判断すべきものと考える。その際の総合判断の具体的な要素としては、次の5要素を挙げることができ、この5つの要素を、その要素間の関係も含め考慮し、情報開示の妥当性を判断するというアプローチが有効である。
(1)情報開示の目的
(2)開示する情報の内容
(3)債務者企業に及ぼす影響
(4)情報の開示先
(5)情報の管理体制

ということである(見出し数字を加筆した)。

 本報告書では、企業顧客情報を対象に、顧客と銀行との間の契約関係や顧客の経済的利益を侵害する可能性の有無という観点から考察を行っているが、個人顧客情報について考察する場合においても参考になると考えられる。
 なお、ミンボー的視点では、本報告書中「情報の開示先」について「なお、反社会的勢力が関与している者などは、当然のこととして、態様の如何にかかわらず、開示先から除かれるべきである」と述べられているのが注目される。

(5月9日追記)
 同報告書の概要について、金融法務事情1706号(5月5日号)29頁で紹介された。

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「倒産弁護士ムラに大物続々」

 日経4月19日朝刊の記事です(nikkei.netには掲載されていない模様)。
 このタイトルは、まあそうなんでしょうが、サブタイトル「中大OB、着々と勢力拡大」はいかがなものかと思いました。記事中の表現を借りると「倒産弁護士ムラの中核を担う東京弁護士会・倒産法部会」の私も末端メンバーですが、先輩弁護士がどこの大学出身だからどうだと考えたことはありません。
 あと「東京地裁破産部・商事部はつきあいの古い東弁・倒産法部会に大型案件を次々に持ち込んだ」というあたりも、
(1)東京弁護士会は第一東京弁護士会と第二東京弁護士会をあわせた程度の規模があり、そもそも分母が大きいという事情や、
(2)東京三弁護士会のうち東弁は相対的に個人開業弁護士が多く、倒産処理は従来は「在野の小集団」が支えていたため、結果として東弁に倒産弁護士が集中しがちな傾向にあったという事情があるので、
一見すると東弁・倒産法部会のベテラン弁護士に大型案件が集中しているように見えたとしても、公平公正を旨とする裁判所からすれば「つきあいで大型案件の管財人を委嘱した」というような書かれかたには異論もあると思います。
 というわけで、やや無理をして面白おかしく書こうとしすぎた感のある記事ですが、本来は脇役である弁護士を題材にして、このような面白おかしい記事が書かれるということ自体、記事中にもあるように「隔世の感がある」ということではないかと思いました。
(「隔世の感がある」といっても、私は昔を知るほどベテランではないのですが)

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谷口園恵ほか「改正担保・執行法の解説」(商事法務)

 立案担当者による解説書なので、改正法をどのように活用するか、あるいは改正法のどこが問題かという問題意識では書かれておらず、それらについては別途、実務家の文献(の行間)を読まなければならないが、本書は立法趣旨を理解するためには欠かせない本のひとつであろう。
 地味な部分だが「別表一 民事執行法上の保全処分及び引渡命令に関する改正の経緯」「別表二 管理手続と他の執行手続等が競合する場合の法律関係」はたいへんわかりやすく整理されている。

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暴力団対策法改正案、参議院本会議において可決・成立

 4月21日に参議院本会議において、全会一致で可決した。
 要旨を引用する。

一、指定暴力団の代表者等の損害賠償責任に関する規定の整備
  指定暴力団を代表する者又はその運営を支配する地位にある者は、指定暴力団相互間又は指定暴力団内部の集団相互間の対立に伴う指定暴力団員の凶器を使用しての暴力行為が発生した場合において、当該暴力行為により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずることとする。
二、暴力的不法行為等の追加等
  刑法第二編第三十三章(略取及び誘拐の罪)、出入国管理及び難民認定法第九章等に規定する罪を暴力的不法行為等に追加する等の措置を講ずる。
三、施行期日
  本法律は、二の改正規定の一部を除き、公布の日から施行する。

※ 既報

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個人情報保護、4分の3「規定なし」 233社が回答

 朝日新聞の記事。

 何の4分の3かというと、東証1部上場企業の(アンケート回答企業の)4分の3ということである。
 多すぎるのではないか?準備が遅すぎるのではないか?という印象だが、調査時期が本年2月から3月だというのが唯一の希望(?)である。全面施行1年前の本年4月から本格的取り組みが始動したのだろうと思いたい。
(現時点でも同じ状況ではまずすぎる。)

※検索ワード上位の単語に関する記事が書けるといいのでしょうが、記事のために仕事をしているわけではないので、なかなかそうもいきません。あしからず。

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別冊NBL87号「改正破産法新旧旧新対照条文」

 今回の破産法改正は、現行法の一部手直しという形式ではなく、現行法の廃止+新法の制定という形式を取っているためか、法務省サイトでは新旧対照条文が公表されていないので、こういう本は便利だ。
 例えば「借賃・地代・小作料と相殺の額についての(現)破産法103条は新法ではどうなっているのか・・・」と本書215頁をめくると「削る」と明記されている。わかりやすい(しかし分厚い)。

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村上裕一「事業再生は誰のため?」

 NBL783号(4月15日号)3頁のコラム。
 事業再生におけるスポンサー選定にあたっては、競争入札方式がもっとも透明性が高く、かつ高額な入札を期待できる(=高い弁済率を期待できる)ため、優れているといわれているが、競争入札を勝ち抜いた新スポンサーが過大な価額を提示していた場合、当然のことながら投資を回収しなければならないことから、過酷な収益ノルマを課し、熾烈なコスト削減を行いがちであると筆者は指摘しているが、私もそれに近いことを見聞きしたことがある。
 競争入札方式は、過小額による入札を排除することはできるが、勝者の入札額が過大かどうかチェックする機能は持っていない。入札額の低廉さを競わせる競争入札において「1円入札」が行われることがあるのと同じ問題であろう。
 筆者は「バランスの取れた利害調整の必要性」を説いているが、同感である。

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通信会社従業員の「情報窃盗」に罰則――総務省が検討

 日経によると、いよいよ「情報窃盗」が検討されることになったようだ。
 私たち法律家は「窃盗の目的物は有体物だけ。例外は電気だけ」という固定観念を持っているが、その固定観念が打破されるときがきたのだろうか。どうして通信会社従業員だけが対象なのか、構成要件はどうなるのか、わからない部分が多いが、検討結果に注目したい。

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先週の検索ワードランキングの結果

 たまには雑記を。
 4月14日からアクセス解析で検索ワードランキングがわかるようになった。先週の検索ワードベスト5は以下のとおりである。コメントをつけてみた。
(「こういうネタを書いてもらいたい」という趣旨とも解釈すべきでしょうか?)

対象日: 2004年04月12日(月)~ 2004年04月18日(日)
合計数:738
検索ワードランキング
順位 検索ワード 件数
1 短期賃貸借 61
※4月1日から改正担保執行法が施行されたが、もっとも関心が高いのはやはり「短期賃貸借制度の廃止」か。

2 株主総会 30
※季節ネタだろうか。独立開業後はそれほど取り扱っていないので、当blogの記事も少ない。あしからず。

3 特別清算 20
※マイナーな問題なので誰も関心がないと思っていたが、堂々の3位入賞。いや。マイナーな問題だからこそ当blogが相対的に上位に表示されるというカラクリらしい。

4 民事再生 19
※というわけで、この検索ワードはメジャーなので、当blogは上位に表示されないようである。

5 取得時効 14
※これも同じで、取得時効のことを書いたサイトは少ないのだろう。

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暴力団対策法改正案、衆議院本会議で可決して参議院へ送付

 組長責任を立法化するための暴力団対策法改正案。
 こちらは4月13日に衆議院本会議で「異議なく」可決し、参議院に送付されていた(参議院内閣委員会で審査中)。
 衆議院本会議における採決方法(本件については、異議の有無により採決されたこと)は、なぜか参議院のサイトに書いてあるが、衆議院サイトの「議案審議経過情報」ではわからない。

(参考)
※ 以前の記事
※ 沖縄タイムスの1月18日付け社説
※ 中国新聞の1月13日付け社説
 抗争の場合に限定するのは不十分だとする立場。

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破産法案、参議院本会議で可決して衆議院へ送付

 破産法案だが、既報のとおり、3月30日に参議院法務委員会で可決されたので気を抜いて(?)いたら、4月7日に参議院本会議で全会一致で可決して、既に衆議院へ送付されたようである。イラクだ年金だということばかり報道されるが、そういった間にも参議院のみなさんは粛々と働いていたのだった。

 ちなみに、参議院のサイトでは、ひとりひとりの議員の投票結果が公開されており、全会一致といっても、出席していない議員もいることがわかる。欠席理由まではわからない。

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「最低資本金規制特例制度利用実態調査」の調査結果について

 1円会社について書いたらその日に経済産業省による調査結果が発表されていた。

 これによると、4月9日現在、

1)確認申請書:14251件
2)成立届書:10887件
3)卒業件数:416件
4)解散等の件数:33件

とのことである(株式会社と有限会社を合算した数値)。資本金の額を最低資本金以上に増資した企業数を意味する「卒業件数」という言葉が調査結果において正式に用いられている。

 また、5年間の猶予期間について「適当である」「不満を感じない」と回答した者(149件)が「延長すべき」と回答した者(123件)を上回ったとのことである。
 理論的には「5年間は長すぎる」という問題意識もあり得るが、そのような調査がなされたか否かは明らかでない。わざわざ特例制度を利用した者が「5年間は長すぎる」と回答するわけはないともいえるが、前記のとおり、成立した確認会社のうち約4%が5年間を待たずに確認会社を「卒業」していることは示唆的である。

 以下、勝手な推測だが、この点に関する会社法改正の方向は、

・株式会社と有限会社の統一
・新・株式会社の最低資本金は300万円(撤廃はしない)
・5年間の猶予制度は定着ないし拡大?

といったところではないだろうか?

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FAQ/引渡し期限の意味

民事執行法168条の2第2項は「かっこ」を省略すると、

 引渡し期限は、明渡しの催告があった日から1月を経過する日とする。ただし、執行官は、執行裁判所の許可を得て、当該日以後の日を引渡し期限とすることができる。

とあるので「明渡しの催告から1か月が経過するまでは断行執行しない」という断行実施日についての規定と誤解するかもしれない(私も当初そのように誤解していた)。

 しかし、ここにいう「引渡し期限」の意味について同項はかっこ書きで「明渡しの催告に基づき第6項の規定による強制執行をすることができる期限をいう」と明記してあり、第6項は明渡しの催告によって生じた当事者恒定効に基づいて行う強制執行の規定である。
 つまり「引渡し期限」は「明渡しの催告に基づく当事者恒定効が及ぶ期限」を意味するということだ。当事者恒定効が認められる期間は、最低でも1か月、さらに執行裁判所の許可があればもっと長くすることも可能である(条文をしっかり読めばわかる話だが)。

 他方、断行実施日について改正担保執行法は何ら規定しておらず、仮に引渡し期限が経過した後に断行を実施しても、断行実施日に当事者恒定効が及ばないだけであって、その断行が違法になることはないが、申立代理人サイドとしては、原則として当事者恒定効が認められる期間内に断行が実施できるよう手配するとともに、やむを得ない事情によりその期間内に断行が実施できない場合には、引渡し期限の延長を求め、断行実施日まで当事者恒定効が及ぶことを確実にしておく必要がある。

※これらの点については、以前に紹介した新民事執行実務2号139頁に掲載されている「新明(引)渡し制度について」がもっとも詳しい。

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1円会社からの前倒し卒業

 またまた古い記事からの引用で恐縮だが、2月4日付け日経3面の

「特例制度導入1年/「1円起業」で企業巣立つ/利用8000社超、卒業は274社/「用意周到組」が成功/設立前から増資にメド」

という記事(残念ながらNIKKEI.NETでは見当たらない)によると、274社が新事業創出促進法10条に基づく5年間の最低資本金規制適用除外期間を待たずにわざわざ増資をして最低資本金をクリアしていることがわかる。この記事では、

「少ない元手で会社を設立した上で過小資本状態を早急に脱して信用力を強化し、大企業との取引開始などにつなげる狙いがある」

と分析している。もちろん、出資/借り入れのどちらで資金を調達するかという選択は信用力だけの問題ではないが、経済社会においても、新規設立会社の資本の額と信用力は関係があると考えられていることがわかる。

 「資本が1000万円未満の会社は設立から2年間消費税の納税義務を負わない」といった現行の関連諸制度を前提とすると、この特例はそれなりに意義があったと考えられる(※1)。この特例は、サラリーマンが起業する場合等、一定の要件を満たす場合しか適用を受けられないが、この要件を緩和することは検討されてもよいのではないだろうか。

 しかし、前記のとおり、新規設立会社において資本の額と信用力には関係があると考えられる以上、特例はあくまでも特例であり、所定の期間経過後は本来の最低資本金を備える必要がやはりあると考えられる。
 この点、会社法制現代化要綱試案におけるC案(株式会社・有限会社において最低資本金規制を撤廃する案)については、起業促進という政策目的(※2)からすると、その妥当性には疑問を感じざるを得ない。

※1 5年間という期間の長さが適当か否かについては留保する。
※2 起業促進以外の政策目的との関係で、最低資本金300万円未満の有限責任会社を設立するニーズがどの程度あるのかわからないが、もしあるとしても、商法で一般的に最低資本金規制を撤廃するほどのニーズなのだろうか。ニーズごとに特別法で対応すれば足りるのではないだろうか(現時点の感想)。

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会社法制現代化要綱試案へのパブリックコメント取りまとめ

 法務省サイトのパブリックコメントコーナーを頻繁に閲覧しているが、お目当てのパブコメ結果(下記)がなかなか公表されない。

〇「動産・債権譲渡に係る公示制度の整備に関する要綱中間試案」に関する意見募集
 募集期間:平成16年3月3日~4月5日
※これは募集を締め切ったばかりなので広い心で待とう。

〇民事執行法の改正に伴う「民事執行法施行令」の改正に関する意見募集
 募集期間:平成16年2月3日~3月2日
※もう民事執行法施行令は4月1日から施行されているのだが。

〇「会社法制の現代化に関する要綱試案」に関する意見募集
 募集期間:平成15年10月29日~12月24日
※首を長ーくして法務省サイトでの公表を待っているが、事業再生と債権管理104号(4月5日号)18頁でまた先を越された。
 一部(金融実務に関する部分らしい)は既報のとおりだが、今回の「事業再生と債権管理」版も、パブコメ結果を網羅しているのかどうか判然としない。やはり法務省サイトで正式版を確認したい。

 この際「法務省パブコメ結果まだですか?」というタイトルにしようかと思ったが、他の記事タイトルとのつりあいを考えて穏便なタイトルにした。
 法務省は「パブコメ結果を公表することにはあまり意味はない」と考えているのだろうか。たしかに、結果といってもナマのデータではなく「賛成意見が多数を占めた」というような「取りまとめ結果」にすぎないので、それを踏まえて作成される法案のほうが重要に決まっているのだが、公表される予定になっているのに公表されないと気になる。

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佐々木宗啓ほか「預金保険における名寄せについて」

 古い記事だが、判例タイムズ1083号(2002年4月1日号)61頁より。破産管財人名義等の預金の名寄せについての解説を見つけたので紹介する。

(前提)
・破産財団の法人格を認める
・破産管財人は、破産財団の管理処分権を有するにすぎない

(結論)
 現状の取扱い例(破産管財人甲が、複数の破産財団の預金を「A破産管財人甲」「B破産管財人甲」等の名義で設ける)によれば、破産財団ごとに名寄せされるため、
1)破産管財人に就任した甲個人に名寄せされることはない
2)複数の破産財団名義の預金間で名寄せされることもない
3)破産者の自由財産との間の名寄せもされない

(対策)
1)破産財団と破産管財人の個人資産の合計額
2)破産管財人を務める複数の破産財団の合計額
3)破産財団と破産者の自由財産の合計額
のいずれかが1000万円を超える場合であってもペイオフの問題を考慮する必要はないが、
4)ひとつの破産財団だけで1000万円を超える場合には対策を講じる必要がある
(という理解でよいだろうか?)

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議論メモ/特別清算についての検討課題(3)

とりあえず項目のみ。

第1 現行の特別清算の見直しについての個別の検討課題

11 清算人
(1)公平誠実義務
(2)清算人の解任及び選任
(3)清算人に対する報告命令及び調査
(4)清算人の行為の制限
(5)債務の弁済

12 債権者集会
(1)書類提出及び意見陳述のための債権者集会
(2)(1)以外の債権者集会
(3)債権者集会の指揮
(4)決議
(5)議事録の作成
(6)担保権者の取扱い

13 監査委員
(1)監査委員の選任及び解任の手続
(2)監査委員の人数
(3)監査委員の同意を要する事項

14 検査役
(1)検査命令
(2)検査役の報告

15 裁判所の処分
(1)会社の財産の保全処分等
(2)発起人、取締役、監査役又は清算人の責任に関する処分

16 協定
(1)協定の申出
(2)協定の条件(内容)
(3)担保権者の参加
(4)協定の可決要件

17 特別清算の終了
(1)特別清算の終結
(2)破産手続開始による特別清算の終了

18 その他

第2 存立中の株式会社への拡大
 1 制度創設のニーズ
 2 本来的な特別清算制度への影響
 3 破産手続との関係

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第1種株式会社~第3種株式会社

 以前の記事で紹介した法制審議会会社法(現代化)関係部会の審議内容がT&A master58号(3月15日号)に掲載されていたのを今ごろ見つけたので紹介する。

 同部会では、現行法の株式会社・有限会社に相当する会社について、以下のように再編成することを議論しているようである。譲渡制限の有無で会社を区分するという発想は実態に即したものであり、今後の議論が注目される。

1 第1種株式会社
 譲渡制限会社であって、主として株主(社員を含む)の総会が業務に係る決定権限を有する会社。
 現行の有限会社は、この区分に位置づけられる。

2 第2種株式会社
 譲渡制限会社であって、主として取締役会が業務に係る決定権限を有する会社。

3 第3種株式会社
 譲渡制限会社ではない会社。

 なお、日本取締役協会の公開企業法委員会では、商法と証券取引法等を融合させた新たな「公開企業法」を策定し提言することを予定しているとのことである。
 現行法上、公開企業は常に譲渡制限のない会社(前記の「第3種株式会社」)であるのに対して、非公開企業は常に譲渡制限会社とは限らないものの、レアケースと考えられるので、譲渡制限の有無で区別する発想と公開/非公開で区別する発想はよく似ているといえる。こちらも注目。

「組長責任の立法化へ」に追記。

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破産法案、参議院法務委員会で可決

 マスコミ報道によると野党は審議拒否をしているようなので、破産法案はどうなるんだと思っていたら、審議が止まっているのは衆議院の話で、参議院のほうは動いていて、破産法案は4月6日に法務委員会で可決されたようである。

(参考)
 既報
 参議院のサイト

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個人情報の保護に関する基本方針

 既報のとおり、4月2日閣議決定された。
 内閣総理大臣から国民生活審議会に対して諮問された案と比較してみたところ、ほぼ同一の内容(「など」→「等」など、字句の修正のみ)である。以下に項目のみ紹介する。

1 個人情報の保護に関する施策の推進に関する基本的な方向
(1)個人情報保護法制定の背景
(2)個人情報保護法の理念と制度の考え方
(3)国際的な協調
2 国が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する事項
(1)各行政機関の保有する個人情報の保護の推進
(2)政府全体としての制度の統一的な運用を図るための指針
(3)分野ごとの個人情報の保護の推進に関する方針
(4)広報・啓発、情報提供等に関する方針
3 地方公共団体が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する基本的な事項
(1)地方公共団体の保有する個人情報の保護の推進
(2)広報・啓発等住民・事業者等への支援
(3)国・地方公共団体の連携のあり方
4 独立行政法人等が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する基本的な事項
5 地方独立行政法人が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する基本的な事項
6 個人情報取扱事業者等が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する基本的な事項
(1)個人情報取扱事業者に関する事項
(2)認定個人情報保護団体に関する事項
7 個人情報の取扱いに関する苦情の円滑な処理に関する事項
(1)事業者自身による取組のあり方
(2)認定個人情報保護団体の取組のあり方
(3)地方公共団体における取組のあり方
(4)国民生活センター及び各省庁における取組
8 その他個人情報の保護に関する施策の推進に関する重要事項
(1)情報収集・調査研究の推進
(2)国民生活審議会の役割

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猪狩俊郎「暴力団排除条項の導入・活用により、プロ野球界から暴力団等反社会的勢力の一掃を」

 季刊「事業再生と債権管理」104号(2004年春号)より。
 一見すると「なぜこの記事がこの雑誌に?」という印象を受けるが、この雑誌は民事介入暴力対策活動の紹介に力を入れており、この記事も、復刊した1999年以来の「最新・民暴事情」という連載記事として掲載されている。
 全国組織としての「プロ野球暴力団等排除対策協議会」、及び地区組織としての「プロ野球東京地区暴力団等排除対策協議会」(既報その1その2)が創設された経緯が公刊物に具体的に掲載されたのはこれが初めてではないだろうか。

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再度の取得時効の援用を否定した例(最判平15・10・31)

 時効つながりで、判例時報1846号(4月1日号)7頁より。

(事案)

A 土地所有
X 昭和37年2月17日から土地占有
(昭和57年2月16日の満了により20年経過)
X←B 昭和58年12月13日抵当権設定登記
B→Y(整理回収機構)平成9年3月26日抵当権移転付記登記
X 平成11年6月15日所有権移転登記(昭和37年2月17日時効取得)
 その後、上記抵当権設定の日からさらに10年間占有を継続したことにより取得時効を援用

(第一審・原審の判断)
 Xによる再度の取得時効の援用を認める
理由)時効起算点固定の原則(昭和35・7・27民集14・10・1871)の例外である最判昭36・7・20民集15・7・1903(不動産の取得時効完成後に所有権移転登記を経由した第三者に対し、占有者がなお引き続き時効取得に要する期間占有を継続した場合には、その第三者に対し、登記を経由しなくても時効取得を対抗することができる)を引用

(上告審の判断)
 Xによる再度の取得時効の援用を否定(破棄自判)
理由)起算点を後の時点にずらせて、再度、取得時効の完成を主張し、これを援用することはできない(時効期間固定の原則
※前記昭和36年判決の事案は、時効取得者が未だ原所有者に対する時効の援用をせず、所有権を確定的に取得しているとはいえない状況で、再度の取得時効による所有権取得と原所有者からの譲渡による所有権取得の優劣が争われたものであり、時効取得者がいったん時効の援用をして所有権移転登記をした本件とは事案を異にするとされたらしい。

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酒井廣幸「続・時効の管理[増補改訂版]」(新日本法規出版)

 時効管理の分野における名著。
 ところで酒井廣幸「時効の管理[増補改訂版]」(新日本法規出版)という本もあるが、本書の旧版ではなく、内容が重ならないのに、こちらだけ絶版になっている。
 両書を統合した決定版?が近いうちに刊行される予定ならやむを得ないが、そうでないなら是非とも復刊していただきたい(>出版元どの)。

「「個人情報の保護に関する基本方針案」諮問」に追記

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株主総会とはいったい何モノなのか?

 最新刊の紹介でなくて恐縮だが、木村剛「ニッポンスタンダード・日本資本主義の哲学」(PHP研究所)を読んでいたところ「株主総会とはいったい何モノなのか?」という節があり、著者の知人がある会社の株主総会に出席したところ、

1)前方のほうには経営者が発言するたびに「了解」「異議なし」と吠える意味不明の応援団。
2)質問者は取締役からいちばん遠いところから声を上げる
3)株主の周囲にはがたいの大きい若い社員が「整理係」として株主を監視しているようす。
4)株主からの質問を総会議長と会社の総責任者であるはずの取締役社長が直接答えず、脇に座っている取締役に質問をふって場合によっては補足する
(以下略)

という状況だったと書かれていた。

 株主総会の準備支援業務を行っている私から見れば、それぞれ事情があってやむを得ない措置である(もちろん適法でもあるのだろう)。
 しかし、個別の措置を完璧に実施しようという意思が強まるあまり「経営の委託元である株主に対して経営方針をていねいに説明する」という、より高次の方針がおろそかになってしまうことは(法的な意味における説明義務違反まではいかないとしても)実は、耳が痛い問題である。

 例えば「了解」「異議なし」については、議事進行上の措置や動議・議案の採否について(文字どおり)異議なく了解されたか否かを確認するために、異議なく了解している株主には「明確に」発声していただくことが望ましい。議長が「ご異議ございませんでしょうか」と議場に諮っているのに議場が完全にノーリアクションだったら議事進行できなくなってしまうからである。
 しかし「吠える」必要はない。記録に残る程度に普通に発声すればいいのだ。不規則発言が飛んでいたら、不規則発言にかき消されない程度に多少大きな声で発声すればいいのだ。ところがこの「普通に」とか「多少大きな声」といったニュアンスは本番ではなかなか難しいらしく、とくに前列に座っている株主には議場全体の様子がわかりにくいため、つい強い調子で「了解!」「異議なし!」と「吠えて」しまいがちである。

 また、社長が直接答弁しないというのも、場合によっては当然である。個別の事業の実績などは担当取締役が説明するほうが適切だろうし、そのための担当取締役でもあろう。実際にも、担当分野を熟知している取締役が、議長から答弁を指名されるまでもなく「この質問ならば自分が答弁する」と自覚し、自信をもって堂々と自分の言葉で答弁しているのが一般であると思う。
 しかし、これも程度問題である。社長自ら答弁すべきか否かの判断が議長と議場とで食い違うと「答弁を丸投げして、株主に対する説明能力が乏しい経営者」との印象を与えてしまいかねない。実際のところ、担当取締役に答弁させるか議長自ら答弁するかの区別は、自明のようにみえて実は紙一重のことも少なくないから悩みは尽きない。

 要するに、大きな方針を実現するためにたくさんの個別の措置を講じるときには、個別の措置に振り回されることなく、常に大きな方針を忘れないようにしなければならないということである。
 とくに、分業が進んだ大企業ほど、大量の個別の措置が高度にマニュアル化される傾向にあるため、マニュアル化の弊害としてマニュアルに振り回される事態も生じやすいので、より注意が必要である。

「破産法案が参議院に提出」に追記。

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