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FAQ/引渡し期限の意味

民事執行法168条の2第2項は「かっこ」を省略すると、

 引渡し期限は、明渡しの催告があった日から1月を経過する日とする。ただし、執行官は、執行裁判所の許可を得て、当該日以後の日を引渡し期限とすることができる。

とあるので「明渡しの催告から1か月が経過するまでは断行執行しない」という断行実施日についての規定と誤解するかもしれない(私も当初そのように誤解していた)。

 しかし、ここにいう「引渡し期限」の意味について同項はかっこ書きで「明渡しの催告に基づき第6項の規定による強制執行をすることができる期限をいう」と明記してあり、第6項は明渡しの催告によって生じた当事者恒定効に基づいて行う強制執行の規定である。
 つまり「引渡し期限」は「明渡しの催告に基づく当事者恒定効が及ぶ期限」を意味するということだ。当事者恒定効が認められる期間は、最低でも1か月、さらに執行裁判所の許可があればもっと長くすることも可能である(条文をしっかり読めばわかる話だが)。

 他方、断行実施日について改正担保執行法は何ら規定しておらず、仮に引渡し期限が経過した後に断行を実施しても、断行実施日に当事者恒定効が及ばないだけであって、その断行が違法になることはないが、申立代理人サイドとしては、原則として当事者恒定効が認められる期間内に断行が実施できるよう手配するとともに、やむを得ない事情によりその期間内に断行が実施できない場合には、引渡し期限の延長を求め、断行実施日まで当事者恒定効が及ぶことを確実にしておく必要がある。

※これらの点については、以前に紹介した新民事執行実務2号139頁に掲載されている「新明(引)渡し制度について」がもっとも詳しい。

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