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FAQ/短期賃貸借制度の廃止・経過措置

 質問が多い点を整理します。網羅的ではありません。

1)短期賃貸借の保護がなくなるのは、施行後に新たに契約締結する短期賃貸借からです。現存する短期賃貸借は、引き続き(改正法施行後に更新されても)保護されます。

(平成15年改正法附則5条)
〇この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち
〇民法第602条に定める期間を超えないものであって
〇当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたもの
に対する抵当権の効力については、なお従前の例による。

2)一方、建物の明渡猶予制度(民法395条)には経過措置はないので、

(民法395条)
〇抵当権者に対抗することを得ざる賃貸借により(※1)抵当権の目的たる建物(※2)の使用または収益をなす者にして
(1)競売手続の開始前より使用または収益をなす者(※3)
(2)強制管理または担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後になしたる賃貸借により使用または収益をなしたる者は、
〇その建物の競売の場合において買受人の買受けのときより6か月を経過するまではその建物の買受人に引き渡すことを要せず

との規定が直ちに適用になります。私が最近みた物件明細書には「〇〇の賃借権は、〇〇なので、買受人に対抗できない。ただし、平成16年4月1日以降に代金納付がされる場合、その代金納付日から6か月間明渡しが猶予される」との記載があり、すでに改正法対応が始まっています。

 なお、以下のような場合には、建物の明渡猶予制度の対象にならないので、代金納付後すぐに引渡命令(民事執行法83条)を申し立てることができます。これらの場合の申立期間は代金納付後6か月(9か月ではない)なので、申立期限に注意する必要があります。

※1 ということは、単なる不法占拠者は除外(下記文献94頁)。使用貸借も除外されるのでしょう。
※2 ということは、土地の場合は除外。
※3 ということは、競売手続の開始後に使用収益を開始した者は除外。

(参考文献)山川一陽・山田治男「改正担保法・執行法のすべて」(中央経済社)

※正確でないかもしれません。間違いがあったらご指摘下さい(この記事に限りません)。
「ITヤクザの台頭」に追記。

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担保執行法」カテゴリの記事

Comments

私は不動産会社に勤務しておりますが、先日当短期賃貸借保護制度の廃止をまともに耳にしました。
それまでは、記事で廃止の件は多少とも知ってはおりましたが、あまり気にも求めておりませんでした。勉強不足です。
改めて、色々と考えてみますと業者として自身が行っている業務がこの法改正で賃借人にどう関わってくるのか。業者としての責任はと、考えさせられます。
そもそも賃貸借物件にはたいていの事抵当権が設定されておりますが、今回の制度改正により期間を3年以内とした賃貸借契約の更新をした場合、その後に抵当権が実行された場合の賃借人の立場は、また更新後の賃貸借契約は短期賃貸借にみなされ保護されるのか。
自動更新の場合はどうなのか。
サブリース契約で源賃貸借契約と転貸借契約との関係は・・・・・。
今後その見解を取り上げていただけたらと思います。
ご検討の程よろしくお願い致します。

Posted by: 福島真澄 | 2004.04.13 at 21:15

私の兄はA賃貸管理という建物賃貸管理会社を経営しています。先日、ここで働いていた従業員が退社したのですが、その際、管理受託している貸主名簿を持ち出されてしまいました。元従業員はその後、別の管理会社に就職し、その持ち出した名簿を利用して営業活動をしている事が判りました。この場合、A管理会社が貸主から追及される責任とA管理会社がこの従業員にできる請求はどのようなものがあるのでしょうか?また、警察に訴えることはできるのでしょうか?なお、A管理会社の顧客名簿の管理状態は施錠をしていないロッカーの中に保管していたそうです。
恐縮ですがよろしくお願い致します。

Posted by: 斎藤美咲 | 2005.06.08 at 12:39

すみませんが、コメント欄を利用しての法律相談には、責任をもって回答することができません。法律相談は地元弁護士会等が実施している法律相談会をご利用下さい。

Posted by: 管理人 | 2005.06.08 at 13:19

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