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破産者の「支払不能」後の債務負担と相殺禁止

 破産法104条2号では「支払停止又は破産の申立て」があることを知って破産者に対して債務を負担した場合の相殺を禁止していますが「支払不能」を知って債務負担した場合については規定していません。
 この点につき東京地裁平成15年10月9日判決は、

「破産債権者が、破産者の支払不能を知った場合は、破産者の支払停止を知った場合より確実に、破産者が破産の危機にあることを知ることができる。そうすると(このような場合における破産債権者による相殺)を許せば、他の破産債権者との間に不均衡を招き、破産債権者平等の理念に反する結果となり、また、そのような破産財団に対して債務を負担した場合以上に保護する理由もない」

として、破産債権者(株式会社新生銀行)による破産者(長銀インターナショナルリース株式会社)に対する相殺を認めませんでした(ただし控訴されたとのこと)。

 判例時報の最新号(1842号=2月21日号)109頁で紹介されています。
 金融法務事情1695号(1月5日15日合併号)46頁でも、場合によっては相殺を可能とする方向で、この論点が検討されていますが、上記裁判例は紹介されていません。
 参考文献として笹浪恒弘「相殺禁止(1)」新・裁判実務大系(10)355頁。

(3月2日追記)
 金融法務事情1699号53頁で紹介されました。

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